嘘解きレトリック5話
そうまとみやびとかのこはしなこが嘘を言っていると気づき、そうまは女中さんに警察と救急車を呼ぶ様に伝える。
みやびには警察と一緒にしなこを探す様に言い、かのこにはしなこから目を離さない様にして欲しいと伝えた。
そうまはくぼくんと崖の上に行ってみることにしたのだ。
みやびは警察官としなこを探し回っているが見つからない。
かのこはしばたさんのちりょうが終わり、帰ろうとすると如何してももう暫く待って欲しいと伝える。
かのこはもう一人のしなこを殺したくないと伝える。
そしてしなこにあなたはずっと嘘をついていますよねと問いただすのだった。
そうまはその頃、くぼくんと崖の上に登り始めたが女性が振袖を着ては登れないとやはり分かる。
崖の上で状況をくぼくんと確認した後、脇道の奥に進む。
くぼくんが脇道の逸れた場所でお墓を見つけその周りに抜け道を見つける。
そうまとくぼくんは抜け道の中で、しなこが3人で暮らしていた居場所を見つけ先を急ぐ。
かのこも警察官に説得されて、お前達の言っている事は全てでたらめだという所で、くぼくんが後ろのふすまを開いて登場する。
そうまが昨日のしなこを抱え、かのこの前に姿を見せる。
しなこは血の気が引き、真っ青の顔をしている。
しばたさんは脈を測ると、すぐに隣町の病院に行く事を伝える。
そうまとかのこ、しなことみやび、警察官が病院に行く。
しなこは、私たちは3つ子であることを話してくれた。
警察官はどうして一人の振りをしないといけないんだとしなこにいうと、私もどうしてか分からないと答えた。
ただ分からないから一人である事を続けてきた。
一人でいる事が自分自身である事だったんだと話した。
昨日のしなこが本当の事、そうまとかのこに話すとしなこに話した。
しなこはそんな事許さないと昨日のしなこに伝えた。
昨日のしなこは初めてどうして、3つ子のこと隠さなければいけないのか考えたけど如何しても分からなかった。
混乱した昨日のかのこは額を切ってしまったのだ。
しばた先生が昨日のしなこの額の傷は大きかったが、深くはなかった。
2、3日病院で様子を見ようと話した。
そうまはさらに続けた、1人目のしなこさんが殺された次の日崖の上からイネさんを見たんじゃないのかと話した。
しなこさんは声が聞こえたきたんです、もう人形を盗むのは嫌だ、もうお前も同犯だ止める事はできないと言い争って、イネさんが橋の上から落ちたんだと。
警察官はそれじゃあ人殺しじゃないか、どんな風体をしていた。
しなこは老人の様な格好、腰が曲がり、白髪だった。
そうまはそんな風体の人居ますよねと話す。
しばたさんがそれはイネの兄だと話す。
しなこは本当にありがとうと頭を下げ、病院の入り口でにこっと笑った。
かのこがみた人形屋敷のしなこさんの最後の姿となった。
そうまとかのこが屋台でつくもを食べていると、取材に回っていたみやびが顔を見せる。
手にはお土産だとカゴいっぱいの柿を持っている。
あやお夫人は双子で、出身のしろこべ村には双子は災いをもたらすという噂がある。
だから双子が生まれた時には、どっちかを殺す風習が残っていたのだ。
村人の噂や目に心を病んだ母は夫人の姉と共に井戸に身投げしてしまう。
夫人の意識には、双子が生まれたら、心を病んで姉と亡くなった母の姿が自分と重なったのである。
そのことを知った、あやお主人は、自分たちの事を誰も知らない村に引っ越し、遠くの村から産婆を呼び、子供を産んだのである。
主人は3人の子を一人として育て、夫人も私が産んだのは三つ子じゃなかったと思い始めた。
主人は離れに、人形屋敷を作り、人形を沢山育てることにより、三つ子であることを隠し通そうとしたのである。
人形屋敷でどうしてしなこさんが一人で生きなくてはならなかったのか、それはあやお主人が夫人を守ろうとした嘘なのである。
みやびはそうまに見事な推理だったわね。
そうまはそりゃどうも。
でもかのこさんに、そうまに助手はいらないわと言ったこと謝るわねと話した。
みやびはそうまに今、何時。
16時だけど、みやびは取材したこと今日中に記事にしないといけないのよ。
足早にその場を離れていく。それは軽やかだった。
みやび姉さんが、そうまとかのこに一枚の写真を見せてくれた。
しなこさんは情状酌量で人形屋敷に戻る事ができたんだとみやびが話す。
かのこが握る手には、二人のしなこが洋服で微笑む姿があったのだ。
しなこは、みやびに色々言われるかもしれないけど、3つ子のしなこの事件の事、記事にして欲しい。
なかった事にはしたくないからと話した。
人形屋敷の事件、人が死に、人が殺された事件だったのだ。