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[SS]居場所

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2024年4月の記事一覧

生活で必要なルールを小学生の時に学んでから、毎日のやる事は決まっている。学校を卒業して自由な時間は出来たけど、一日のやるべき事以外は自分の部屋のソファに座り時間をやり過ごす。私は余計な事を考えない為に規則正しく生活している。他人と話しをしなくても、一人で安定した暮らしをしている。

私は欲しい物があって、お金が使いたいとは思わず、ものを深く考えたりはしません。一日でやる事は決まっていて、三度の食事と入浴、睡眠です。私には義理の姉がいるけど、挨拶程度の会話しかしません。何か想いにふけるという事はなくて、毎日がただ過ぎていきます。私の生活のルールは決まっている。

ゆっくり寝ていたくて、誰とも話したいと思わず、いつもの自分でいる事に抵抗感はありません。他人が声を掛けてくれたら、出来るだけ素直に聞きたい。私は犬を飼っているので散歩に連れて行きますが、好きだという感情は特にありません。私は無心に毎日を送っているだけで、楽しいと思う事はないです。

私は妻に孫悟空の姿になってくれないかとお願いします。妻は赤色で猿の顔を縁取り、黒色で太い眉毛と目の周りを描きました。金色の服の上下に青い刺繍が入っている。僕の目の前で片足を大きく振り上げ、両手を大きく広げて、構えてくれました。妻の顔立ちは美しく、化粧が生えて、とても賢く見えます。

悟空の頭にキリキリとした痛みが走り、輪っかは益々締め付けます。坊主分かったよお前の言う事を聞くから、やめてくれ。三蔵は坊主というのはおやめ、おっ尚さんとお言いと伝える。三蔵と悟空の天竺への旅が始まります。私は西遊記の話を書いて妻に見せると、岩を破壊するシーンで大暴れできると喜ぶ。

悟空はなんでも言う事を聞くからお札を外してくれ、三蔵は悟空の頭に金の輪っかを取り付けます。三蔵がお札を除けると悟空は全身の力で岩を砕きます。三蔵は悟空へ天竺まで一緒に来ておくれと話し、悟空は大王の俺様が坊主の用心棒なんてやだねと水簾洞に帰ります。三蔵は念仏で頭を締め付けたのです。

私はこれじゃあ大阪にいる時と変わらないじゃない、英国について行く必要あるのと彼に確認したかった。彼は身の回りの面倒はお手伝いに見てもらう、私にしかできない事をして欲しいと話す。私は彼が英国でどうすれば人気が出るのか分かる?と尋ねられた。私は英国人の事はさっぱり分からないと答えた。

孫悟空が三蔵と初めて出会う、悟空は天上界で大暴れして下界である地上に落とされ、大きな岩に押し潰されています。三蔵は猿どうしたんだ?と尋ねる。悟空は俺の力はこんな岩なんでもない、その護符が邪魔なだけだ。頼むから取ってくれないかと願う。三蔵は私の言う事を聞くのなら望みを叶えても良い。

優れた女優は古典小説の描写や講談師の語りをヒントに隈取りを行う、妻も優れた俳優の一人である。隈取りは京劇俳優にとって役に成り切る為の仮面であり、役柄によってデザインも描き方も異なり、それぞれ特徴がある。初めて京劇を観た人は、役者達の顔が色とりどりの模様で飾られている事に驚きます。

私は妻にどんな孫悟空を演じてみたいの?と尋ねた、自在に伸び縮みする如意棒を振り回したいと答える。私が日本で、一緒に京劇の舞台を作ってみないかと伝える。妻は踊る事はできるけど、本を書くのは難しく、私が西遊記の演目を書く事にした。物語の内容はイメージ出来るので、隈取りは妻が考えます。

プーアルがヤムチャ様どうかしたのですか?と尋ねると、俺は女を見ると身体が固まってしまうんだと話す。ブルマはびっくりした表情を浮かべていたが、悟空は口ほどでも無いなと叫んだ。悟空とブルマは無事に砂漠地帯を抜けると、龍がいると言われる山岳地域に進んでいった。ヤムチャも後を追いかける。

最遊記の筋で孫悟空が神兵と戦う・天宮を騒がすや水簾洞で大王を名乗る・水簾洞が京劇の演目として大勢の観客に喜ばれている。神通力を持つ孫悟空を演じるには、素早い身のこなしに加え、気迫に満ちた、緻密な演技も必要とされる。北京では孫悟空の芝居が大流行して、次々と新作が発表され競い合った。

私の頭には妻と過ごした北京の風景があった、妻に話した通り、アヘン戦争が落ち着けば戻れると思っていた。妻も京劇の事が気になって、二人の会話は自然と中国人なら誰でも知っている孫悟空の話になった。妻も猿そっくりに舞台の上を飛び回ってみたいという。私も学生の時に西遊記を読んだ事があった。

日本に帰国して、父と外交について話す機会もある。私は南京条約は不平等条約で、清国はこれから長い間改定の為に努力する事になるだろう。日本の近代化も、欧米列強と結ぶ条約に関して、余程心してかからないと清国と同じ轍を踏む事になるはずだと話した。イギリスの戦争の目的は貿易の自由化である。