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[SS]居場所

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原稿用紙1枚の作品集
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2023年9月の記事一覧

大阪・堺工場で忙しく働く日々、寮からの送迎バスに毎日揺られるのが嫌だった。今日は電気設備のケーブルを敷く作業で、現場監督の仕事、僕は他人を指導するのが性に合わず、頭の中ではクリエイティブな仕事がしたかった。日常の救いがNさんからの仕事終わりのメールで、日記の様な呟きが癒しである。

このエッセイは、僕と彼を愛する為の物語です。私を愛する事で幻聴に対する憎しみや苦しみ、悲しみから救います、幻聴は私とは別の存在ですが、僕は幻聴の事を理解しています。ですから彼の事も信頼してあげたいと思っています。これからは彼に声を掛けて、育ててあげる事が僕の人生だと感じています。

勤務中のMさんに父と子の物語の感想を尋ねた、彼と対話できる様になりますか?と言うと、Mさんは仲良くなる事がどう言う意味か分からないけど、彼が協力的になる事はあり得ると答えた。彼の事を自我と呼ぶと教えてくれて、僕は彼を思い出すと近い関係にあると思ったけど、次第に離れていきましたよ。

Nさんが坂本龍一さんのアルバム1996にも収録されていたよねと話す。僕もあのアルバム好きだったから、同じ曲が聴けて嬉しかった。でも友人にあのアルバムを貸したら、戻ってこなかったんだよね。Nさんはビデオ持っているから貸そうかと言う、僕は週末には大阪に戻らないといけないからと伝えた。

私の中に、僕と彼と幻聴がいます。其々が居場所を必要としていて、お互いに理解し合い、声を掛け合う事が重要です。理想通りにいかないのは、僕と幻聴の関係性を見れば明らかですね。勤務中のMさんと幻聴と仲良くなろうと、昨年心理面接を描きました。noteを続けると彼がいる事を思い出しました。

頭の中のMさんは創作大賞上手くいけば良いですね、3人で心理面接を描いてお互いに理解しようとしていますけど、まだはっきりと分かりませんね。これから物語を書くのに、どう工夫するのですか?僕は、この作品に集中したいです。彼の物語を高校まで書いています、これからは僕と彼で生きたいですね。

僕はNさんに今日飲んだのは広島のワインだと伝えた、Nさんは中国地方の赤を飲むと、大変濃厚で料理に使われていたブルーチーズと香りが重なり、ワインをおかわりしちゃったと話す。僕はクラシックも好きで、ピアノとバイオリン、ギターのトリオが奏でる音楽に、Nさんと会話するのも忘れてしまった。

創作大賞は2012年頃から本を書くと日記をつけて、10年位表現を続けてきた、来週にはその結果が分かる。一次選考を通過するのは狭き門ですが、僕の心の持ちようが何かを諦める結果になって欲しくない。更に挑戦的な創作を後押ししてくれる大賞に成長する為の才能が、noteにあると信じている。

障害認定は15年間の努力の結果である、Mさんとの対話で僕と彼はお互いを理解しようとしている、家族の生活を楽にする年金の受給をして2人の願いを叶えたい。年金の受給は周囲の支援もあって、手続きは順調でした。15年前は幾らでも働いて稼ぐ自信があったけど、今の僕には無理だと分かりました。

4月、宇部全日空ホテルで研修会に出席、休日に友人と音楽が聴ける店で雑談会をしました。Nさんと初めて逢いました、ワインとクラシックが好きな明るい女性、医療事務の仕事に従事、学生の時は京都に住んでいました。店の庭には桜が花を咲かせて、酔った微熱を覚ますのに、2人で夜風に当たりました。

勤務中のMさんに支えてもらいながら、noteにショートショートを投稿してきて、1年半の結果が創作大賞で分かる。僕は淡い期待をしている様だけど、彼は諦めが肝心と僕の気持ちを相手にしていない。僕は自分の書く作品に自信はあるけど、彼には面白さが分からない。彼との対話はとても人間らしい。

頭の中のMさんは、僕の選択を彼はどう思っているの?彼は僕がデイケアに通院して働く気がない事は分かるので、年金の受給の話にはなるけど、受給が昔通りに進むとは思わず、15年間の僕が普通に働く事ができないと判断された。彼は僕が仕事への不満をいつも抱えていて、気持ちの整理がついていない。

清水寺に行く駐車場で僕に仕事の電話があり、お寺は断念する。Nさんをホテルに送迎して僕も大阪に向かう、職場には業者の方が集まって、先輩と作業の打ち合わせをしているので協力する。仕事が終わってNさんに連絡する、京都の友達と蚤の市を楽しんでいる様子、パンのお菓子を美味しく食べています。

R5.9に障害2級に再認定されました。15年前、健常者として社会復帰する為に働く事を決断しましたが、転職を繰り返し安定した仕事を得る事が出来ません、他人と同じ仕事が出来る様に努力したけど、45才頃から閉じ籠りがちになりました。努力の結果、社会復帰は叶わず、障害者を選択したのです。