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【参加レポ】MakeoverMondayユーザー会_191217

noteをお読みいただき、ありがとうございます。Tableau女子会Webコンテンツ担当のishiakiです。
2019年12月17日に行われたMakeoverMondayユーザー会に参加してきました!当日のアジェンダに沿ってレポートしますが、グループワークでのViz作成時にどんなフローで考えていったのかをなるべく詳細に書きたいと思います。(長くなりそうな気配)

MakeoverMondayの紹介

そもそもMakeoverMondayとは何でしょうか?
イギリスの方が主催している一種のユーザー会で、あるビジュアライゼーションを見て、あなただったら同じデータを使ってどうやって可視化する?
というお題が名前の通り毎週月曜に出されます。
そのお題に回答すべく、世界中のTableauユーザーが同じデータを使ってそれぞれの可視化を行うのですが、十人十色とはまさにこのこと。
本当に様々なVizが作られていきます。
▼MakeoverMonday HP

毎週お題が出るので、全てに回答した場合には年間で50本以上のVizを作ることになります。パーフェクトで提出している方々を「100%Club」と呼ぶそうで、イベント開催の時点では17名中4名が日本人でした(すごい!)
▼回答状況もTableauPublicに上がっています

DATASaberからテクニックの紹介

幹事でありDATASaberでもある村上さんから、Vizを作るにあたっての心得とテクニックをご紹介いただきました。
★その内容についてはご本人の許可もいただいておりますので別記事として詳しくお伝えします!

Makeover Monday チャレンジ(40分程度)

MakeoverMonday経験者を必ず1人以上含めた形で7チームに分かれてグループワークスタート。今回は30名程の参加者でしたので、1テーブル4~5名の配置となりました。
お題となったのは、イギリスの発電手法についてのデータでした。

①元のVizを見てどう思う?

元

イギリスの石炭を使った発電量がどのように減っていっているかを可視化したものです。1日の発電量のうち、石炭による発電シェアが何%だったかを色で表しており、黒が100%、緑が0%となっています。
年を追うごとにどんどん色が薄くなっていき、2019年にはだいぶ緑の日が増えていますので、年々石炭を使った発電量が減っている、ということがわかります。このVizを元にディスカッションを行い、自分たちならこうする!というVizを作っていきます。

ちなみに私がいたチームでは、まず元の画像を見て
・日単位だと細かすぎるから、年の単位でも良さそう
・年の推移を見せるなら、時系列の流れ的に左から右の配置にしたい
・石炭=火力 なので、赤系の配色の方がわかりやすそう
・石炭の代わりに何が増えたんだ?
といった話が出ました。

②データを見て、可視化

とりあえず今の話を可視化してみようということで、データを開きます。すると、1日が約5分単位刻みで8年分という思いがけず膨大なデータw

扱いに戸惑いつつも、データに必要そうな加工(ピボット)を施し、可視化をスタート。
「年単位で良さそう」「時系列の流れなので左から右へ」「石炭の代わりに何が増えたんだ?」「赤系の配色の方がわかりやすそう」
という、いきなり全部の内容を満たせたVizがこちら。

線&構成比

ほんと、ラインチャートってシンプルでわかりやすいですね。COALがガクンと落ちているのが良くわかります。変わりに上がっているのはCCGTという発電方法が伸びているようです。(CCGTって何?と思ったかたはググってみましょう。こんな感じで、Tableauとは関係ない知識まで身についていくのも、MoMの良いところだなと私は思っています。)
また、構成比を見てみるとwindが若干増えてきており、nuclearは一定のようです。

③他のデータも使ってみよう!

上記のラインチャートと構成比で、当初に立てた疑問はあっさり解決してしまって時間も余っていたので、他のデータにも触れてみようということに。
今回一番特徴的だったのは、5分単位のデータだということ。こんなに粒度の細かいデータもあまりないので、せっかくなら時間で見てみようか?という話になりました。それを可視化してみたのが、こちら。

時間

下部にある数値は0~24時の時間帯です。それを年毎に比較してみたものになります。配色は先ほどのラインチャートと同じで、赤がCOAL、濃い緑がCCGTでした。人の活動時間帯(7~20時頃)の電力供給量が最も多く(そりゃそうだ)なっており、2015年以降は活動時間帯の電力をほとんどCCGTで賄っていることが見えました。ちなみに、2017年からポコッと飛び出たグレーの線はsolarでした。最初に作ったラインチャートだけではわかりませんでしたが、日中は太陽光発電も活用し始めたようです。

根拠も何もなく面白そうだから時間で見てみる?と言って始めたこの可視化も、新しい発見がありました。こうやって話しながらさくっと色々試せるのはTableauのスゴイところ。

④気になるカラムを発見

時間の可視化もできたので再度元データを見ていると、「demand」というカラムがありました。電力の需要量です。COALが減ってCCGTに代替されてからも需要には応え続けられてるんだっけ(そもそも需要量達してた?)という新しい疑問が出てきましたので、供給量と需要量のデータを組み合わせて作ったのがこちら。

需要と供給

黒の線が需要量、グレーの棒が供給量です。そもそも需要量に届いてなかった!w しかし、2017年あたりはかなり差分が少なくなっており、CCGTに代替した成果が出てきたのかも? 需要を100%満たしているわけではないですが、少なくとも発電方法を代替したことによって、国内の需給バランスが大きく崩れたことはなかったようです。
需要量も減っているので、国全体で節電対策が浸透しているっぽい?

⑤ダッシュボードにまとめる

残り10分程度、今まで作成したものをダッシュボードにまとめます。
上で紹介した3つのViz以外にも、季節変動を見るために月ごとの変化を見てみたり、需給バランスをラインチャートで比較してみたり色々あったのですが、最終的にはこの3つに絞りました。

3つを組み合わせてどんなストーリーだと話しやすいか?伝わりやすいか?を考えてみます。説明時にはもちろん肉付けしていきますが、大まかには
1)そもそも需給バランスどんな感じ?(足りてる?)
2)発電方法はどう変わった?(何が何に変わった?)
3)「変わった」の中身を深堀してみた
のストーリーにしようと、以下のダッシュボードになりました。

ダッシュボード

ダッシュボードのポイントは、
・メインタイトルで、何を言いたいかを強調
・各シートのタイトルで、何を知りたくてこのVizにしたのかを示唆
・ストーリーの順に沿って、Z型にシートを配置
・配色はシンプルに、必要なところだけ色を付ける
・極力罫線を消す
を意識して作成しました。

実際のVizはこちらからダウンロードできますので分解してみてください。

⑥元Vizとの比較

比較

ということで、まったく同じデータを使ったのに、全然違うVizが完成しました!これがMoMの面白いところ。

チーム発表&講評

全7チームがありましたが、時間の都合上3チームの発表となりました。
他のチームのvizも様々で、私は、最初の年を100%とした時に各発電方法がどれだけ増減したかを表現したものが印象的でした。

1チーム発表するごとに、幹事の荒川さん(100%club!)からのありがたい講評が。Vizは人に見てもらうものなので、文字の大きさや配色など細かいところに気を遣うと、見たくなるvizが作られるんだなと実感しました。

その後は軽食を取りながら懇親会!盛り上がってだいぶ時間オーバーしていましたw

MakeoverMondayの参加方法は?

幹事 荒川さんのブログで参加方法がとっってもわかりやすくまとめられておりますので、こちらをご確認ください!

参加にあたって、Twitterのアカウントを作成することを推奨させていただきます。今回のMakeoverMondayに限らず、Tableauに関する世界中の発信方法がTwitterに集中しており、ありとあらゆる情報(お役立ち情報や最新の機能、イケてるViz、イケすぎてて何が起こっているかわからないvizまで)が溢れています。

MoMで作成したVizを積極的に発信していると、日本はもちろん海外の方からもコメントをもらったり、他の人が作成したVizを見て勉強できたりと、メリットがたくさん。
是非一度チャレンジしてみてくださいね!


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