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ヨガでよく唱えるオームとは何か

「ヨガ哲学の勉強」というものを
あえて定義づけるのであれば
「経典を学ぶことでヨガの本質的な教えに触れ
そしてそれを自分なりに理解することで
日常生活に活かしていく」
ということになるかなと思います。

経典

本質的な教え

自分なりに理解

日常に活かす

なので
この動線を意識しながら
今日もお勉強してみてください!



オームの意味

ヨガの世界では事あるごとに
「オーム」というマントラを唱えますよね。

一般の方からすると
「え、なに?怪しい・・・」と思われるかもしれませんが
そんなことを言い始めたら
舞台上でずっとお面をかぶっている「能」だって怪しいし
めっちゃ白塗りして目を中心に寄せるような「歌舞伎」だって怪しいです。

つまり
その道にはその道のしきたりがある
というだけの話です。
怪しいと思うのは
その道を知らない外部の価値観で物事を観ているだけの話なのです。

しかし
だからといって
「怪しいと思うのは外部の人間だから、あっちいけ」
となるのはおかしいですよね。

今はたまたまそれを知らないから外部にいるというだけの話ですから
その意味や理由を教えあげることで
怪しいという疑いを取り除くことが出きます。

ヨガで頻繁に唱える「オーム」には
何の意味があるのかを説明して
知識を授けてあげれば良いだけの話ですね。
(※知識は正義)



オームの意味

オームという言葉は
「A」「U」「M」
の3文字で構成されています。

カタカナにすると「ア」「ウ」「ン」となります。

アウン

あうん

あ、うん

↑これがオームの意味です。

「ねえ、そこの醤油とって~」
「あ、うん」

↑これです。

実はオームには
僕たちが日常で使っている「YES」という意味にあたる
「うん」という意味があるのです。

ヨガ経典ではこのように説かれています。

『まさにこのアウン(オーム)なる音は、同意の際の言葉(オウ)である。人が何かに同意する際に発するのは、単純に「阿吽・オウ」という言葉だからである。そして同意された事柄は即ち、成就されたことになるのである。この事柄を理解して瞑想を施せば、その者はまさしく種々の願望の成就者となるのである。』
(※チャーンドーギャ・ウパニシャッド第1篇第1章8節)

つまり
オームにはYESの意味があり
それを理解し
唱えて
瞑想することで
ヨガが目指すサマーディや解脱という境地に達することが出来る
と言っているのです。



応諾の合言葉

経典にも書かれているとおり
「オーム」には同意や応諾といった意味があります。

僕たちが普段唱えているオームという音は
「これまで起きた出来事、これから起こる出来事、それらを造り出している全ての人やモノ、そしてその根本にある自分自身、これら全てを応諾し、受け入れます」
という合言葉のようなものなのです。

ヨガの訓練は
肉体を受け入れ
呼吸を受け入れ
心を受け入れていきます。

このように「受け入れる」という作業を内側へ深めていくにつれて
実はそれは同時に外側へ広がっていくことでもあり
結果
全ての出来事に対して抗わずに
受け入れられるようになっていきます。

その内外問わず
全てを受け入れきった状態を
サマーディとか解脱と呼んでいるのです。

「オーム」と唱えるのは
それを思い出すための合言葉
というわけなのです。



まとめ

僕はこのように「合言葉」と理解しています。
ちなみに僕のお師匠さんは「おまじない」と教えてくれました。

このあたりは自分がしっくりくる表現でいいと思います。
大事なのは日常生活に転用することです。

辛いときや苦しいときに
ふと冷静になれるキッカケがあると良いですよね。
辛さや苦しさと一言で言っても
そこには様々な要素が絡んでいます。

ただ辛い・苦しいだけでは
問題解決には程遠く
それを受け入れるなんて
さらに辛いし苦しいです。

ただ
そこで冷静さを取り戻すキッカケを持っておくことで
その問題の要素分解をすることが出来て
その結果
ただ辛い・苦しいと抗うのではなく
その問題を受け入れた上で
解決への一歩を踏み出せるようになるのだと思います。

ということで今日は
オームの意味についてのお話でした。

おわり

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