見出し画像

師匠と弟子(前編)

僕たちは
日常のあらゆるシーンにおいて
様々な意思決定を求められます。

そこで今日と明日は
様々な意思決定を上手に行うための
一つのアイデアとして
伝統的ヨガの象徴と言ってもよい
「グルとシシャ」というキーワードについて
お話していきます。



グルとシシャとは

グルとは
「重い」「重要な」「尊敬すべき」という意味があり
すなわち
「尊敬すべき人」「師匠」「導師」のことを指します。

シシャとは
その反対で
「弟子」「生徒」のことを指します。

本来ヨガというのは
スタジオや学校で先生から学ぶものではなく
もちろんインターネット越しに学ぶものでもありません。

歌舞伎や落語の世界と同じで
ヨガの世界も
師匠から弟子へと
直接受け継がれるものでした。



師匠を憑依させる

ヨガ経典にはこのような一節があります。

「俗世への執着を克服した聖者を思うことで心は安定する」
(ヨーガ・スートラ1-17)

つまり
俗世間で何が起きても動じることの無い尊敬すべき人を
自分の心の中で想うことにより
心が安定し
浄化され
真理の近づくための気づきを得ることが出来る
というのです。

僕の中でこの「尊敬すべき人」は
自分のヨガのお師匠さんです。
ですから
悩んだり迷ったりしたときは
「お師匠さんならどうするかな?」
という視点を持つようにしています。

すると面白いもので
すんなり問題解決できてしまいます。
(※さすが師匠!)

僕は
重要な局面ではこのように意思決定をしてきているのですが
自分の感覚でいうと
「師匠が憑依している」
という感覚なのです。



客観視


憑依なんて言葉を使うと
なんかスピリチュアルっぽくて
煙たがれるかもしれませんが
全くそんな話ではありません。

師匠が憑依しているということは
そこには自分がいないということです。

「自分」を規定する想いは自我意識
つまりエゴです。

何が言いたいのかと言うと
師匠を憑依させることで
自分のエゴを取り除くことが出来た結果
冷静な客観的判断が出来るようになるということなのです。

僕たちは
普段何かを判断するときに
自我意識(エゴ)を使って判断するため
どうしても主観による目先のメリットとデメリットが
判断材料となってしまいます。

これが必ずしも悪いというわけではないのですが
主観に頼り過ぎると客観性を失い
冷静な判断が出来なくなったり
共感を得られない判断になったりします。

大人になってから抱く悩みのほとんどは
「正解が無い問題」だと思います。

だから悩むのだと言ってしまえばそれまでなのですが。。。

ここをもう少し丁寧に考えていくと
正解が無いのではなく
選んだ道が全て正解なのであって
100人いたら100通りの正解があるということなのだと思います。

答えが無いのではなく
多すぎて選べないだけなのです。

だからこそ
一度主観を取り除き
客観的な目線を持つことが重要であり
その一つのやり方として
尊敬できる師匠を憑依させる
というのが今日のお話でした。

つづく

画像1


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?