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神様って何?(後編)

前編はこちら

前編でもお話したように
そもそもヨガの世界では
「神様」という単語は専門用語です。
なので
ヨガを深く学ばないと理解が出来ないのは当然です。

ただやっかいなのは
「神様」という単語は
一般的にも用いられる言葉であること。
そして
その用いられ方がヨガの世界で使われる「神様」ではなく
宗教の世界で使われる「神様」であるということです。

そもそもですが
ヨガは宗教ではありません。

一般的に宗教とは
儀礼や教義も含めた文化のことを指しますが
ヨガはそのような習俗を除去した後に残った精神統一の修行体系です。

そして
その修行体系を後押しするかのように
哲学や科学が存在しています。
このことは
ヨガの歴史を学べばわかることです。

ヨガは宗教ではないので
ヨガで使う「神様」と
宗教で使う「神様」は
違うということです。



神様を信じますか?

ところで
皆さんは神様を見たことがありますか?

僕はありません。
神社でも見たことはありません。
インドでも見ませんでした。
近所のスーパーでも見たことがありません。

皆さんもそうじゃないですか?
神様を見た人は居ないのです。

「私は神様を信じません」という人がたまにいますが
これは正論だと思います。

じゃ、質問を変えますね。
皆さんは神様を感じたことはありますか?

僕はいつも感じています。
これまで何不自由なく暮らしてこれたことや
今自分が置かれているこの有難い環境を目の当たりにすると
神様を感じざるを得ません。

「・・・そう言われると神様を感じるっちゃあ感じるかな」
みたいな人も多いかなと思います。

何が言いたいのかというと
神様は信じるか信じないかという
「前のめりな意識」の話ではなく
感じるか感じないかという
「受け身の意識」の話なのです。

神様を信じるか信じないかはどっちでもいいのです。
それよりも
神様というはっきりしない漠然とした概念を
受け入れられるようなニュートラルな自分で居られるかどうかが
大事なのです。

神様を感じるというのは
赤ちゃんが目の前の物をなんでも口に入れてしまうような感じで
善悪の判断をせずただそこにあるものを
ただ受け入れるような感覚なのです。



んで、結局神様って何なの?

冒頭でお伝えしたように
ヨガの世界でいう神様と宗教の世界でいう神様は違います。

ヨガの世界でいう神様は
「イーシュヴァラ」と呼ばれるものです。

「イーシュヴァラ」とは
この世の何にも影響を受けない
特別な真我(自分の本質的原理)だと言われていて
「宇宙意識」と訳されることもあります。
(※ヨーガ・スートラⅠ-24)

つまり
イーシュヴァラとは
全てを凌駕する絶対的・普遍的なものであって
言葉で言い合わらすことも出来ないものなのです。
これを仕方なく言語化すると
「神様」や「宇宙意識」となるわけです。

そして重要なのは
イーシュヴァラは特別な真我(自分の本質的原理)だと言っている点です。

僕たちはどうしても神様と聞くと
神社や教会を思い浮かべてしまいますが
イーシュヴァラは自分の内側に在るということなのです。

自分の本質を悟る修行体系をヨガと言います。
そのためのキーワードの一つとして
「神様」という専門用語が出てくるのです。

どうしても「神様」という単語が気に入らないのであれば
宇宙意識とか普遍的存在とか
いい感じの言葉に置き換えたら良いと思います。

なぜなら
ヨガでいう神様は
神様という言葉にすら制限されないからです。



今日のまとめ

・そもそも「神様」は専門用語
・ヨガで使う「神様」と宗教で使う「神様」は違う
・ヨガで使う神様はイーシュヴァラと呼ばれる
・イーシュヴァラは全てを凌駕する絶対的なもので「宇宙意識」と訳される
・イーシュヴァラは自分の本質的原理と考えられる
・神様=イーシュヴァラ=宇宙意識=自分の本質

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