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アジャストは無くてもいい

今日は「アジャストは無くてもいい」というお話です。
アジャストとは
ヨガの先生が生徒さんの体を触りながら
ポーズを洗練させるお手伝いをすることを指します。

このアジャストという
生徒さんの身体を触る行為は
正直必要ありません。

今日はその理由を再確認しながら
ヨガの根っこの理解を深めていきましょう。


実は経典にも書いてある


そもそも医療従事者でもないし
専門の国家資格を持っているわけでもない
ただの一般人であるヨガインストラクターが
他人の身体を触るという行為自体おかしな話なのです。

実は「ヨガの広辞苑」である
ヨーガ・スートラにもこう書いてあります。
(※ヨガの広辞苑って何?w)

シャウチャ(清浄)の戒律を守れば、他人の肉体と接触しなくなる
(ヨーガ・スートラⅡ-40)

これは
シャウチャ(清浄)という教えを守り続けていると
肉体はそもそも不浄なもの(本質的ではないもの)であると
理解することでができる。
その結果
肉体のために費やす時間がなくなり
その空いた時間をより内側の世界に向けて使えるようになる
という一節なのです。

つまり
アジャストとは肉体をどうこうするという
不浄であり本質的でないものを扱う時間だということなのです。

ヨガは肉体を「手段」として使いますが
やはり本来の「目的」は心の領域に入っていくことです。

アジャストはポーズを洗練させることを目的としているため
これをやり続けている限り
一向に不浄で本質的ではない世界に居続けるということになり
本来の目的であったはずの心の領域に進みにくくなるのです。


優秀な指導者はアジャストをしない

アジャストは生徒さんの意識を
肉体という本質的でない部分に固執させる可能性があります。

実はアジャストとは
生徒さんの成長を早めるようで
遅くしているのです。

こういったところまでヨガを深く理解している優秀な指導者は
当然アジャストをしません。

僕のヨガの先生(お師匠さん)は二人居ますが
どちらの先生もアジャストはしません。

また昨年インドのアシュラム(ヨガ道場)に出向いたとき
クラスをしてくださった先生も
アジャストはしていませんでした。

ヨガの深く理解されている優秀な指導者は
みんなアジャストをしていません。
シンプルにこれが答えのような気がします。



WHOの会議でも全会一致

コロナ騒動が起きる前から
WHOではヨガの指導基準をまとめる動きが出ていました。

世界中から国を代表するヨガ関係者が集まって
ベンチマーク(指導基準)作成が行われたそうですが
全会一致で決まったのが
「指導者は生徒さんの身体に触れない」
ということだったそうです。

理由はこれまで話してきたことがそうなのですが
もう一つ付け足すのであれば
「リスクマネジメント」です。

例えば
アジャストをしながらヨガクラスをしていて
万が一生徒さんが怪我をしてしまったらどうでしょう?
指導者側は
アジャストと思ってやっていた行為が
生徒さん側はセクハラと捉えてしまったらどうでしょう?

実はこういった問題は
世界中でたくさん起こっています。
しかも意外なことに
著名な先生ほどそういった問題に
巻き込まれている印象があります。

こういったリスクマネジメントの一環としても
アジャストはしない方が良いのです。


まとめ

たしかに
アジャストをしてもらうことで
身体に対する新たな発見があったりします。

でも
身体に対する新たな発見は
自分の意思を持って行うべきです。

そこは近道を通るより
遠回りをして
いろんな感覚をキャッチしながら気づいていった方が
その感覚の記憶がずっと残りますし
その感覚を応用して
また新たな発見が得られたりします。

ということで
今日はコロナに関わらず
アジャストは無くてもいい
というお話でした。

おわり

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