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NPOの設立趣旨書を公開します。


現在立ち上げ計画中のNPO法人の設立趣旨書です。
設立の際の正会員とさらに意見を交わし、変更する可能性がありますが、下記の内容をたたき台として使用していきます。

NPOツギツー 設立趣旨書

1趣旨
 この度設立を目指しているNPO法人ツギツー は、
"持続可能な次の時代の観光を作ること"
 をビジョンとして掲げます。

 当面の事業としてはVR観光、観光地の問題解決、スノーフィールドと大きく分けて3つの事業があり、そのどれもがこれまでの観光で見過ごされてきた点とこれからの観光と福祉に重要な点を結ぶ、大切な事業だと考えています。
 
 国内の観光の変遷
 戦後の混乱期を経て、国民の生活が安定し余暇を楽しむ余裕が出てきた1960年代から大量の観光客が発生、観光地に開発と人の流れを生み出しました。経済成長とともに観光はその勢いを増し、バブル期を絶頂に、インフラの整備とともに観光地の開発は隆盛を極めたのですが、バブルの崩壊とともに長期低落傾向となり国内旅行の需要は頭打ち、観光は苦しい状況となりました。
 しかし、2003年から政府がビジットジャパン事業を始め、観光立国を目指してきた日本はインバウンドの大きな流れを取り込み、観光業は息を吹き返してきました。 
 この観光の状況の変化の中、国内もインバウンドも旅行形態が団体旅行から個人旅行に、訪れる場所も大都市、有名観光地から始まり、地方へとその裾野を広げ、多様化が進んできました。
 そして2020年、新型コロナウイルスが世界中で流行し人間の活動が大きく変化する中、観光も大きな変化への対応を迫られています。
 これまでの常識にとらわれず、観光マーケットが縮小したこのタイミングは次の時代の観光へと生まれ変わっていくチャンスだとも考えられます。

VR観光の可能性
 近年のヘッドマウントディスプレイや360度カメラ、3Dカメラの映像といったバーチャルリアリティ技術の発展は目覚ましく、自宅や屋内施設にいながらにして、まるで現場にいるような没入感、臨場感を得られる新しい体験ができる機器の開発が進んでいます。
 今後はこれから整備の進む5G通信を使うことで、リアルタイムでの360度3D映像通信の実現などさらに進んだバーチャルリアリティの体験を提供できる未来がやってきます。
 こういった革新的な技術が、今までの観光では対応しきれなかった心身の問題がある方、高齢や貧困の問題がある方にも観光を楽しんでもらえる環境を作ったり、地域間の移動を伴わない観光体験、各観光地やアクティビティの広告、バーチャルツアーとECサイトとの連携などで大きな可能性があります。 
 そしてバーチャルリアリティが広まるとリアルな観光の価値もまた輝いてくると考えられます。

観光地の問題解決
 これまでの観光地の開発は需要に対する後追い型でした。当時の急速な観光の大衆化と、永遠に続くかと思われた経済発展は大型の観光施設の開発と、その後遺症または負の遺産とも言える、大型施設の経営難、すでに破綻した施設の廃墟を現代と未来に残しています。
 また近年は大量の情報の拡散と法改正などによる、観光の変化、インバウンドの増加により、局所的に人が集まることによる混雑、観光地の物価や地価の実体経済との乖離などがオーバーツーリズムの問題となりました。
 観光地に残る廃墟や廃業の危機にある施設の整理、撤去、再活用はできるだけ早く対応した方がいい問題であり、オーバーツーリズムは既出の問題が今後他の地方でも発生する可能性を見据えて、長期的な視点を持って取り組む必要があります。
 さらに新型コロナウイルスの問題でこれからの観光は大きく方向転換する必要にせまられる可能性もあります。顧客の選別や客数の制限といった取り組み方は非常にセンシティブな問題です。
 このような観光地の問題は行政と連携して問題解決や、問題の発生を予測して先回りし、未然に防ぐ必要があり、レスポンシブルツーリズムやCRM(Customer Relationship Management)の考え方を取り入れながら、持続可能な観光の方法と観光地のあり方に取り組む時がきていると考えています。

スノーフィールド
 国内のスキー場は1990-1995年度をピークに減少を続けており、特に地域に根ざした中小規模のスキー場はウインタースポーツ人口の減少、温暖化による小雪、それに伴う営業期間の縮小から経営が行き詰まり廃業するスキー場が増えています。
 ニセコや白馬といった大規模スキー場は海外からのインバウンドの増加で、周辺地域にも積極的な投資が起こり賑わいを見せているものの、物価、地価、リフト券の上昇やオーバーツーリズムによる異常な混雑などにより、地域住民とスキー場周辺との乖離が生まれてきている状態です。
 中小規模のスキー場の減少と資本力のある大型スキー場近辺の大規模な開発に伴う問題、2極化するスキー場業界の間で市民が雪を親しみ、楽しむ文化の発展と継続が危ぶまれています。
 ここで考えたいのが、経済的利益の追求から離れ、社会的利益のために運営するスキー場です。海外ニュージーランドにはクラブフィールドと呼ばれる会員制のスキー場があり、スキー場の継続のために会員が年会費を払ったり寄付をしたり、ボランティアによる労働力の提供を受けて運営しています。
 このクラブフィールドと呼ばれる会員制スキー場を模した仕組みを作り、すでに開発された山、廃業したスキー場の再利用、困難な状況にあるスキー場へのコンサルティング、またはスキー場の運営をして、人々の健康増進や自然体験を通じた自己実現に寄与し、スノースポーツ文化を守り継続的に運営していく仕組みづくり、これを広めることによって世代を超えた市民主体のコミニティを作ることが最初の目標です。
 そして成功事例をもとにこの活動を積雪の多い地域に広め、日本のスノースポーツ文化の継承と共に、雪を資源と考える環境教育、環境保護につなげたいと考えます。

 今回法人として申請するに至ったのは、上記の活動や事業を地域に定着させ、継続的に推進していくことと、活動を広げていくために地域の行政や関連団体との連携を深めていく必要があること等の点から、社会的にも認められた公的な組織にしていくことが最良の策であると考えたからです。また、当団体の活動が営利目的ではなく、多くの市民の方々に参画していただくことが不可欠であるという点から、NPO法人格を取得するのが最適であると考えました。
 法人化することによって、組織を継続的に発展、確立することができ、将来的に次世代を考える観光の体制を継承して、問題に取り組み、教育を含めさまざまな事業を展開することができるようになり、社会に広く貢献できると考えます。


2 申請に至るまでの経過
 代表の牧野は2004年から2016年まで長野県白馬村で外国人向けのゲストハウスを経営して、国内のスキースノーボード人口の減少による衰退した状況からインバウンドの増加による地域の変化を体験し、白馬エリア環境の変化を目の当たりにしてきました。2010年からは伊豆半島下田市でゲストハウスを始め、現在ではカフェ、貸別荘も経営しており
、現在は北海道富良野市を拠点として冬季のアウトドアガイドも行なっています。 世界各国から訪れるゲストやスタッフを通して得られる情報、自身で日本全国を旅行して周った経験、インド、タイ、スリランカ、インドネシアなどのアジア、カナダ、アメリカの北米を観光した経験、自身の観光に対する探究心を活かし、これからの日本の観光、福祉に役立てたいという思いが強くあります。 設立趣旨に示した内容の事業は個人の限界を超えており、また永続的な基盤が不可欠な事業であること、賛同して共に活動していただける仲間の協力を得ることができたこと、今後も協力を集めて、活動の拡大を目指すことからNPO法人〇〇を設立申請するに至りました。

2020年 5月◯日 
NPO法人〇〇 設立代表者 
住所 静岡県下田市吉佐美2735
 名前 牧野 泰生

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