見出し画像

コロナ禍で考える観光の未来


2020年5月1日の現状
2020年4月、新型コロナの影響で海外からの観光客はいなくなり、緊急事態宣言が全国に発令されほとんどの産業で大きな影響が出ています。
観光業に関しては世界的に流行していて出入国の検疫、航空券の高騰、世界的な不景気を考えるとインバウンドの回復は2〜3年、国内マーケットも夏の繁忙期までに感染拡大と自粛ムードが収まるかわからない状況で絶望的な状況と行って過言ではないでしょう。

ニューノーマル、ウィズコロナという言葉が生まれ、もう以前のような世界には戻らないかもしれないと言われると恐怖感を強く感じる人も多いと思いますが、現実を見て対処していくほかはありません。ウイルスへの対応が常識化した世界で、観光の未来はどうなるのか?考えてみたいと思います。

回復の始まり
新型コロナウイルスの感染が抑え込まれるか、社会がある程度の感染を容認する状況になってから観光需要の回復が始めります。

まずは国内マーケットの回復からですが、地方自治体や地域が受け入れを拒む状況がなくなってから首都圏や都市部で抑圧されていた外出欲が解放されて短期的に盛り上がり、抑圧の反動が落ち着いてから少しずつ回復してくると思われます。

次にインバウンドですが、世界恐慌に陥っている現状から、回復はかなり時間がかかる可能性があります。
そして需要回復までの期間を内部留保や融資でつないだとしてもその先に今までと同じ観光の形態が取れるのか?というところに今回のウイルスの問題の難しさがあります。
まずはウイルスの感染を防ぐための2週間の検疫がなくならないことには海外からの観光客は来ないでしょう。出入国先それぞれで検疫のために1ヶ月を隔離されてまで海外旅行を楽しめる人はいませんので、各国間の感染が抑え込まれないことには自由な旅行ができません。
ただコロナの抑え込みに成功している中国人が中国の国内旅行が盛り上がっている状況を見てみると、やはり人々の旅行に対する欲求は高く、各国間の移動の制限が解除されると急速に盛り返してくる可能性もあると考えられます。

観光のニューノーマル
そして次に考えたいのが、
・このウイルスが以前流行した新型インフルエンザなどと同様に社会に受け入れられる状況
・感染拡大とロックダウンが繰り返されるパターン
です。

この二つは感染が完全に抑え込まれ、ビフォアコロナと同じ状態に戻るまでに回復期に現れる状況で、具体的には各事業者、各個人で感染予防をするということになると思います。
ソーシャルディスタンスや定期的な消毒、3密を避けるなどが必須となると、屋外で人が集まらない状況、もしくは家族単位で一つの建物を借り切るような屋内の状況なら観光を楽しめますが、限られた人数だけが楽しめるようなサービスとなると単価を上げないと継続的な提供が難しくなりそうです。(労働集約型の弱みです)
ただこのバランスをうまく取れるサービスに短期的かもしれませんがチャンスがありそうですし、トレンドから新たなジャンルに成長する可能性もあります。

あとは実際に体を運ばなくても楽しめるVRを使った観光形態も将来的には増えてくるかと思われます。自宅や近隣のVR体験施設から、異国や観光地の空間や雰囲気を楽しむことができる未来はすぐそこまで来ていますし、数年もすれば視覚と聴覚以外の感覚器官もVRで経験できるようになる可能性も大いにあります。
ただやはり自分の体で現場で全てを体験する事と同じ感覚までVRになるまでには相当に時間がかかると思われるので、VRでの観光が一般的になるに従い、リアルの観光の価値も上がり続けるでしょう。ここはアフターコロナの世界の状況にかなり左右されるところです.

まとめ
現在の状況は厳しいが、観光は現代の人々の余暇の過ごし方として定着しており、時間はかかるもののの、回復してくる事は間違い無いでしょう。ただその形が今までの観光とは形を変えたものになる可能性はあります。

全ての事象が今までもそうであったように、観光においても適者生存の未来が来ることは間違いありません。
ありのままの現状を見て、何が人々に求められているのかを考え、提供し、フィードバックを得て、改善する。その繰り返しによって顧客の心を掴んでいく。
王道を切り開いていく者に観光の未来が託されていくでしょう。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?