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「自分にはどんな仕事が向いているのかな?」 わからなくなったら、試してみてほしいこと

就活中の学生さんや、社会に出たての方にお伝えしたいなと思う。
もしも、何を仕事にしたらいいかわからなくなったときは、なんでもいいから、まずは1つの職種をやってみたらいいと思う。

やってみて、いいかも、と思ったらとりあえずそっちに進んでみればいいし、違うかも、と思ったら、別のことをやってみればいい。
そしたら、とりあえず2つを比べられる。
あっちよりは、こっち。それがわかったら、次の道も選びやすくなると思うのだ。

編集者をやっていたとき、自分に対して、いつまでたってもニセモノ感を感じていた。

編集の仕事というのは、たとえばたった1ページをつくるにも、取材先にライターさん、カメラマンさん、デザイナーさん、モデルさんにヘアメイクさん…と、たくさんの協力者があって、はじめて成立する。
「こんなページ作りましょう!」と編集者がいくらさけんでも、ひとりではなにもつくれないのだ。
いろんなプラン(ときに妄想)で頭を膨らませることはできても、基本的にはとっても無力。

加えて、おもしろい企画をどんどん世に送りだしている同業者の仕事ぶりをみては、へこんでいた。

私自身は、ゼロからまったく新しいものを生み出していく力が弱くて、画期的なもの、斬新なものは、たとえ自分が望んでいてもなかなか実現できなかった。

いろんな事象や情報をたくさん集めてきては、そこから浮かびあがってくる“今のみんなの気分”みたいなものをつかんで、アレンジして、商品(雑誌や書籍)に仕立てていく、という仕事のしかたをしていた。

だから、いくら編集の技術を身につけても経験を重ねても、いつまでたっても自分のことをニセモノに感じていたのかもしれない。

それなりのヒットや評価があっても、なかなか満たされた気持ちにはなれなかった。

好きだからなんとか続けられたけど、ぜんぜん向いてないよなぁ、としょんぼり思っていた。

からだを壊して仕事を辞め、からだが復活してきたので、まずはとアルバイトを始めた。
これまでやったことがなかった販売の仕事。
シフト制もレジを打ってお金を直接あつかうのもはじめてだ。
緊張と、慣れないのと、もとからどんくさいのとで、アワアワしながら働いた。

やっと、ひと通りのことができるようになって、スピードアップとか、よりよい接客にはどうすればいいかとか、自分なりの工夫をおりこむ余裕がでてきた頃。
ふっと思った。
自分なんてダメだ、ニセモノだ、と思っていた編集者だけど、今のこの仕事よりは自分に向いていたなぁ、と。

びっくりした。
今の職場も楽しいし、よい仲間に恵まれ、ド新人からやっと戦力になれてきて、ちょっと安堵していたばかりなのに、なにいっちゃってんの? まだやり始めて1ヵ月にもならないじゃん? 

理由はかんたん。
次に何をしたらいいかをどんどん思いつく、体がすいすい動く。
体が教えてくれるその感じが、編集者のときのほうが強かったなぁと思えたからだ。
たとえ経験がまだ浅い時期であっても。

苦笑した。たいしたことできなかったし、未練もないし、体力的にもキツイし、もうムリムリ~と思っていたのに、どうも私の体は、編集業のほうが、動きがいいのだ。
もしかしたらそれは、「好き」の力かもしれない。

フルタイムの正社員とアルバイトでは権限もやりがいも違うし、長くやっていた仕事と始めたばかりの仕事では、やっている時間も圧倒的に違うじゃん。
自分にツッコミをいれながらも、すでにうっすらと、もの足りなさまで感じているのだ。あらら。

それで思った。
ああ、どんなことでも、比較できると自分のなかで腑に落ちる。
よくわかるなぁって。

だから、もし、「自分にはどんな仕事が向いているのかな?」と、わからなくなったら、ためしてみて欲しいなと思った。
まず1コに決めてみて、それをやってみる。なんか違うなとおもったら別のことをやってみる、ってことを。

すでに働いていて、いきなり退職とか転職がむずかしいなら、休日をつかって社会人向けインターンに参加したり、1日だけのアルバイトとかボランティア、お手伝いとかでちょこっと体験してみるのでもいいと思う。

たとえ一歩でも、動いてみたら見える景色が変わる。
なにかひとつでもやってみたら、こっちじゃなくてあっち、っていうのは、かすかでも、なんとなくでも、自分で思うはず。
それが手がかりになると思うのだ。

頭や気持ちで答えがでないときは、体にきいてみてほしい。
どっちをやっていたときのほうがよく動けていたかな?
自分にとって自然だったかな?
ラク(サボれる、ヒマでらくちんという意味じゃなくて)だったかな?
呼吸がしやすかったかな?

別の誰かが集めてきた情報や評判なんかよりも、体はきっとあなたに合った場所を教えてくれるんじゃないかと思うのだ。


お読みいただき、ありがとうございます。