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快気祝い

ようやく元気になった。
およそ1年3か月の闘病生活。今考えてもどうなってああなってこうなったのかが分からない。おそらく宇宙のみぞ知る。

バス乗務に復帰するタイミングを自分の快気宣言と決めていた。
旅と思索社のデスクワークの方はすっかり元通りなのだけれど、健康な状態で初めて再乗務する日こそふさわしいと思っていた。

5月上旬、待ちに待った再乗務のための研修でようやくハンドルを握る。うれしいというよりも、皆と同じ日常が戻ってくるぞという気持ちが強かった。
そして研修が終わり、再び独り立ちの日。

自分が運行に出るのを知って同僚のみんなが温かい声を掛けてくれた。そこでようやくうれしさがこみ上げた。
中には、「運行よりも事務所で点呼やっている方がリスクもないからいいのに」という人もいるが、自分にとってはやはり好きなことを貫きたい。

バスの職場の快気祝いは缶入りの小さなおせんべいにした。
気軽に持ち運べて運行の合間に軽くお腹を満たせるようなものがいいだろうと思って。
お持たせでおせんべいを勧められたが断った。そのあと味見にこっそり一つ食べたけど、おいしくてほっとした。

さて、出発点の快気祝いは何にしようか。







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