世界観を生み出し方を学ぶ「MUJI式 世界で愛されるマーケティング」
無印良品って、その店舗に行っても「無印だな...」って思いますし、どの商品見ても「さすが無印...」って思います。
何より、無印にいくと、売っている商品があれもこれもほしく感じてしまいます...笑
結局、自分はいろいろ考えて買わないんですけど、周りを見ているとお客さんは多くの商品を買っています。
どんなマーケティングによって、この世界観を生み出しているのか、について気になったので「MUJI式 世界で愛されるマーケティング」という本を読んでみました。今回も、学びになった点を3つにまとめて紹介しますね。
■3つの学び
ーミッションなくしては世界観は実現できない
たくさんの商品群を持ちながらも、全て同じMUJIのイメージ「シンプル」「自然」を感じられるのは、MUJIのコンセプトである
「暮らしや社会の役に立ちたい」「感じいい暮らしを実現する」
に基づいた商品開発で、その共通のイメージを作り上げているからです。
このコンセプトがなければ、MUJIの世界観は生まれませんでした。共通認識を持って商品を作るからこそ、伝えられるものを生み出すことができるんですね。
そもそも、MUJIは成り立ちからして、時代のアンチテーゼから生まれていて、他社とは根本から異なるそうです。
世の中はブランドによって、商品価値を高めていたのに対して、MUJIは、「感じいい暮らしを実現する」ために、商品そのものの本質的な価値で選択されることを目指しました。そのため、ブランドという装飾品は余計であると考え、その装飾を外したそうです。それが「ノーブランド(無印)」の成り立ちですね。
これは他の商品開発でも「無駄を省く」という点で生かされています。あらゆるところからヒントは見つけては、商品化に向けた「なぜ?」の視点で、無駄を省き、コンセプトに合った商品を生み出しています。いつも「無印良品のコンセプトに合う商品」を考えているからこそ、世界のどこかで見つけた、偶然の出会いが商品につながっていくのです。
私は
いつも考えているからこそ、偶然を必然にすることができる
というのがすごく重要だと思いました。
仕事においても、
仕事を通して、何を成し遂げたいのか?
どんなミッションを持って取り組むのか?
を考えていきたいと思います。こういった指針があるだけで何かを選択するときに判断し易くなります。常に自分の中に、ミッションを持ち続けるようにしたいと思いました。
最近読んだ、「世界のエリートはなぜ美意識を鍛えるのか?」にも通じる内容ですね。もしよかったら、こちらもご覧になってください。今の世の中で必要とされる「美意識」について学べると思います。
ー意思決定をサポートする仕組み
無印良品は、お店におとづれたお客様の意思決定を手助けする仕組みをたくさん用意しているのです。とても勉強になる内容でした。それぞれについて、詳しく説明していきます。
①「わけ」を伝える
無印良品の商品ラベルには、素材の”わけ”やこの価格設定の理由、開発背景などを書いています。また、商品名の中には便益を書いて、ユーザーが得られるメリットがストレートに伝わるようにしてます。
例えば、商品にすごく興味あり(高関与で)、意思決定が必要な際に、MUJIのタグに書かれている情報は意思決定をする手助けとなります。
他にも、低関与で意思決定を必要としている場合には、「無難」な商品を押さえておこうとお客様は考えます。このとき、無印の商品はデザイン的にもシンプルで、価格はやすくやら鼻やすいというメリットがあります。さらにそこに、便益を伝える商品名を見ることで、お客様は「これいいな」と思うきっかけにもなり、無難な商品を押さえようとしていた中でいいものを見つけられたという、嬉しさを感じる瞬間にもなるのではないでしょうか。
②情緒的な商品を生み出す
人間は日用品に対しては、通常、目的を考えて選択します。そして、価格を見て合理的に考えて購入します。
しかし、本やベッドなどが売り場にあると、実用品が言葉で装飾されるとのです。これによって、暮らしに対する想像力がかき立てられ、日用品というものが「無機質なものの集まり」から「暮らしがイメージできる情緒的な商品」に化けるのです。これによって、合理的な洗濯だけではなく、情緒的な選択をして、商品を購入するということにもつながるそうです。
③非計画購買を生み出す
小売店は「ショッピング・エクスペリエンス(買い物経験)」を楽しむ場所です。
そのため、ブランド独自の雰囲気など全てがお客様に影響を与えます。お客様がお店に来て、どんな刺激を受けるかで、ショッピング・エクスペリエンスを心地よいものへ変えるか、感じ悪いものに変えるかが決まります。
MUJIは、店舗を訪れると、木の温もりを感じたり、アロマのいい香りがしたり、穏やかな幸せがある暮らしをイメージできたりします。
ポジティブな感情を持つようになると、人は非計画購買が起きる確率も高まる
というデータがあるそうで、MUJIが与えるショッピング・エクスペリエンスによって、お客様は日計画的な購買をするようになるそうです。「
④安心する幸福感を提供する
人間には2つの幸福感があるそうです。
「エキサイティングな幸福感」:楽しみでワクワクする
「穏やかな幸福感」:安心する幸福感
これに対して、現在思考と未来志向へのプライミング(特定の刺激のこと)を与えると、それぞれ前者と後者の幸福感を選びやすくくなるとのことです。
MUJIのお客さんはどちらかというと現在志向の人が多く、MUJIが提供する商品とマッチしているのです。
要は、現実志向の人は穏やかな幸福感を求めるからこそ、穏やかな幸福感を与えられる「シンプル」で「自然な」商品を求めるのです。これは、MUJIが現実志向な人にマッチする商品を提供しているということで、意思決定を手助けしているとも言えるのかなと思います。
本を読んでいて、世界でもMUJIが人気な理由はここにあるだろうと感じました。
人間が生物として「快適だ」「心地いい」「不快だ」と感じる生理的な快・不快は、正解どこでも大体共通するそうです。人間にとって自然な「心地よさ」、つまり無印良品が提供いている「穏やかな幸福感」は世界でも通じるということを意味していると思います。だから、同じ商品を世界で売っていたとしても、「穏やかな幸福感は」は生活習慣に依存しないため、売れるのです。
ー人は商品やブランドもステレオタイプで判断する
商品の勾配糸に対しては「能力」に対する知覚が、「温かみ」よりも重要視するそうです。
無印良品は商品にはしっかりと能力を持たせている上に、ブランドで温かみを演出し、「能力+温かみ」で売り出しているため、商品に対してプラスの感情が生まれるのです。これによって、情緒的な選択を促し、えらばれるのです。
実はこれは、リーダーシップにも適応可能である、と紹介されていました。
リーダーは自らの能力や強みを先に部下に強調しがちで、その後に人間らしい温かさを見せるタイプが多いそうなのですが、温かみを先に出す方が部下への影響は効果的であるそうです。
確かに先に温かみを感じた方が接しやすくなります。その上で能力もあったら、尊敬するだろうなと思います。社会人になって部下を持つようになったら、「温かみが先」だということを意識して接していこうと思います。
■最後に
無印良品は、「感じいい暮らしを実現する」というコンセプトが世界観や優れた商品を生み出し、このコンセプトが持つ温かさが購買を促しています。そして、さらに購買を促す店舗設計がされていて、コンセプトから購買に至るまで一貫した戦略が取られているということをしりました。
こうした一貫したマーケティング戦略に触れることができ、本を読んでよかったなと思います。
無印良品に関しては「無印良品は仕組みが9割」という本も読んでアウトプットしたので、ぜひこちらも読んでみてもらえると、無印良品が世界的に人気な理由がさらに深く理解できると思います。
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