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私たちが想像しているより、人はもっと優しい

学校からの帰り道、信号待ちをしていると、目の前の横断歩道の真ん中に立ち尽くす人が。

周りをキョロキョロ見渡している。

赤信号だよ!!?
と思っていたらすぐに青になった。車来なくて良かったわ…と思いつつ、その人に近寄る。一緒に信号待ちをしていた他の人はスタスタと行ってしまった。

「どうされました?」と聞いてみると、どうやらイヤホンを落としたらしい。

暗闇の中、携帯のライトをつけて一緒に探しはじめた。黒いイヤホンらしく、道路の上だとなかなか見つからない。

すると、さっきまで一緒に信号待ちをしていた男の人が踵を返して戻ってきた。
一緒に探してくれるらしい。
するとすぐに、イヤホンを発見。

「ありがとうございます!!!」とイヤホンの主に大きく頭を下げられて、その人は少し恥ずかしそうに笑っていた。


      *          *   *

「人はすぐ見て見ぬ振りをする」というのは、少し違うように思う。

色んな想像をしてしまい、最初の一言をかけられないだけなのではないか。

今回の件に関しても、男の人が一度通り過ぎたのは、「どうしたんですか?」という一言をかける勇気がなかった、もしくは閾値に達さなかった。ただそれだけのこと。
誰かの役に立ち感謝される時の喜びを誰もが知っているはずで、困っている人に共感する感覚は誰もが持っているはず。
だから何の感情も抱かずに通り過ぎることができる人なんていないんじゃないだろうか。

こんなふうに思うのは私がまだ青い証拠?


きっと私たちが想像しているよりも、人はもっと優しい。
別の言い方をすると、そう思っていたらそういう世界になる。自分の世界は自分の思い込みの上に成り立っているから。

だから、優しい人なんてほんの一部だと思っている人がいるとしたら、実際その人の世界はそうなんだろう。

でも「人の根底は優しさで満ちている」と思っている人がいるとしたら、その人の周りは優しい人であふれている。

これは本当。

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