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「ついつい長居してしまう宿 in ジョージア」

世界一周324日目(5/18)

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「カズさんというグルジアに愛された方がいる」
と聞いたのはアルメニアのリダさんちだったと思う。

トビリシで有名な日本人宿、ホステル・ジョージアでスタッフをされている方らしく、かれこれ5ヶ月だか8ヶ月だか、長い期間そこで働いているらしいのだ。しかも本人はどちらかと言えば乗り気ではないとか(笑)

その真相はさだかではないが、僕はホステルグルジアから愛された男、カズさんとお会いすることになった。

ドミトリーのベッドを日本人の方が使っているのは分かった。帰ってくる時間帯も遅かったし、『ああ、あの人がカズさんかもしれないな』と思っていた。

なかなか話すきっかけもないし、日本人宿で働いていいるなら、日本人に絡まれるのにうんざりしているかもしれないな。こっちから慣れ慣れしく絡むのももしかしたら失礼かもしれないな、と妙な気遣いでこちらから話すことはなかったのだが、先日「お兄さんはバスキングやるんですか?」と言う質問からちょこっとお話させてもらった。

「で、お兄さんは(カズさんは僕のことをそう読んだ)明日チェックアウトするんですか?」

前日の夜のことだ。

「いやぁ、どうしよっかなぁ?もしかしたらもう一泊する…かもしれないっす笑」

すると突然不穏な気配に。エリザさんが明日の予約がどうのこうの言っている。これは出て行った方がいいな。

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「明日予約の人とかがいるんなら、全然気にしなくていいっすよ。どうせ明日僕がやることと言っても、日記書いたり情報収集するだけっすから!大丈夫です出て行きます!」

「いやいや、大丈夫ですよ。こっちもベッドの空きはまだあるみたいですから。明日のお兄さんの気分次第でいいですよ。」

な、なんなんだ!この日本人的なやりとりは!でも、泊まるんなら早めに言っておいた方がいいしなぁ…。

「じゃ、もう一晩お願いします♪」

なんだかんだで、ここに6泊。
そんな宿の名前は「Comfort Plus」。

フレンドリー韓国人のツーリストが今は沢山いる。4年旅をしている謎のおばちゃんナヤさん(62)を覗けばみんなカップル、夫婦旅だ。今韓国では夫婦旅がアツイ!そんな宿にチェックインして来たのはナヤさんの知り合いらしき女のコだった。ここは韓国人の旅人に人気の宿のようだ。

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この日の僕は朝10時にベッドから這い出し、共有スペースにいるみんなに「グッモ~ニン」と声をかけ、そのままトイレに顔を洗いに行くところからスタートした。財布をポケットにつっこみ、サブバッグを背負って朝ご飯を食べに。朝食はリンゴと大きなパン。それで僕のお腹は満たされる。栄養面はどうか知らんけど。

宿に戻って書き溜めた日記をひたすらに負っていく。一言日記のアプリ「Today is」がなかったら、3日前何をしていたのかも思い出せなかっただろう。だが、ずっと日記ばかり書いているわけではない。集中力と言わないまでも、長い時間ずっと書き続けるこもできない。そう言う時にはネットの乗って、気がつけば時間が過ぎてしまっているという始末。



『そうだ。この前ラジオ細美さんが男性の精子が年々減少しているのはうんたらかんたらで、それを財閥の御曹司がどうのこうの、YouTubeでその映画が観れて、なんつったかなー「スライブ?」スペルどう書くんだ?』

と気になりだしたら、キーワードで検索をかけて、「Thrive」という映画を2時間たっぷり観てしまった。一見何もしていないように見えても、こういう風に観た映画のレビューを書けば、それは少しでも生産性があることになるとは思わないかね!!??

話していることはSFや陰謀論に近い。僕は6割近く信じる方向で観ちゃったけど。だけど、根っこの所では僕たちがシフトしていかなければならない問題を多く取り扱っていた。エネルギーの問題だったり、お金の使い方だったり、食べる物に注意を向けなければないことや、自分たちが政治に参加する意味だったり。UFOの話が出て来たかと思えば裏で手を引く大金持ちの陰謀論、そういう眉唾ものの話が大好きな人はきっとこれを気に入ってくれるはずだ。

観ていてすっげえ面白かったし、考えさせられることもあった。まぁなにより僕は漫画家だからね。こういうのが話に活きる場合だってある。引き出しは多い方がいい。そっかぁ…。新エネルギーなんて考えもしなかったし、そういうことを研究する人たちが世界にはいるんだなぁ。日本の技術力で作れたりしないのかなぁ?

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気づけば太陽はすっかり沈んでしまって、外からは冷たい風が吹き始めた。

キュー曰く、明日から二日間グルジア全体に雨が降るらしい。

ルピィとパーイも明日の夜にここを出発するらしく、宿の外にテーブルを出して小さなパーティのようなものを開いていた。なんか韓国人みんな仲いいなぁ~。

うらやましげに見ていると「シミ!カモン!」と誰かが誘ってくれる。ここにいて、もてなされてばっかの僕だったけど、それにはすげえ感謝してる。一方的だけど、また韓国のみんなのことが好きになった。

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「にしても、いっつも飲んでるよな」

今日は2リットルのペットボトルに入ったビール。

「いつも飲んでるわけじぇないよ?グルジアだからさ!」

「えっ?私はいつも飲んでるけど?」

「はっはっは!」

寒い風に時折雨が混じる。

僕たちは机を室内に移動して、酒盛りの続きを初めてた。

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いつの間にか酒盛りは韓国の一気飲みゲームに代わり、小さなグラスに入ったワインをゲームに負けた人が「くいっ」と口に傾けていた。

僕は宿に新しく来たポーランド人の男の子と少しお喋りをした。医大の合格発表の前で、お母さんと旅をしているらしい。将来はイギリスで働きたいのだとか。大分頭のいいヤツだった。

僕と同い年のキューは「コイツめちゃくちゃ頭よくねえ??!!おれらなんかより?」と顔を見合わせて笑った。

今日はそんな一日だった。

僕はお酒を飲むことなく、酒盛りを途中で抜け出し、歯を磨いてベッドに入った。

さてと、明日出発だ。寝るとしよう。


現在、自作キャンピングカー「モバイルハウス」で日本を旅しながら漫画製作を続けております。 サポートしていただけると僕とマトリョーシカさん(彼女)の食事がちょっとだけ豊かになります。 Kindleでも漫画を販売しておりますのでどうぞそちらもよろしくお願いします。