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「モンテネグロを抜け、バスでセルビアへ」

世界一周414日目(8/16)


僕の他にもベンチで
寝ているおっちゃんがいた。

寝袋から這い出て、
『あ、眠い。もっかい寝よ』
と二度寝をかまそうとしたら、
スタッフに「そろそろ起きなきゃダメだよ」
と起こされた。

まぁ、そんなもんだ。

ここはモンテネグロの首都、
ポドゴリツァのバスターミナル
(宿泊二日目!)

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そして次の目的地はセルビアだ。

とりあえずセルビア側の一番近い
国境の町までチケットを前日に買っておいた。
17ドルくらい。

イタリアなんぞに比べれば全然高くない。

自分の中でヨーロッパの国の物価や
人や環境なんかを考える時、
イタリアと比較対象することが多くなった。


イタリアに対する僕の持つ感想。

・主要都市はだいたい観光地
・バスキングが稼げない
(実力不足ってのもあるけど)
・メシが高い
・交通費が高い
・人が冷たい(特にヒッチハイク)

や、イタリアには良い思いでも沢山あるんだよ。

ヤッケン兄さんや
伝説のバスカーKさんにも会えたし、
イタリア人の友達もできたさ。

素敵な人たちにずいぶんとよくしてもらった。

でも、それ以上に
やられっぱなしの印象が僕の中にはある。

電車のタダ乗りもすぐバレたし。
稼いだスイス・フランの50ドル分は
手数料でもってかれるし。

たぶん、これからもこの比較基準は
僕の中に残り続けることだろう。



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バスターミナルの外にあるトイレで用を足し、
これからバスに乗るというのに、
自動販売機で1ユーロのコーヒーを2杯も飲んだ。

そして10時になると
やって来たバスに僕は乗り込んだのだ。

モンテネグロ。たった二日しかいなかったな。



バスはあっという間に首都を離れた。

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というかもともと
ここは首都っぽくなかったから、
回りの環境が一気に自然豊かになったのだ。

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『モンテネグロには
何があるのだろう?』

たぶん、日本にいる人たちは
みんなそう思うことだろう。

実際僕も2つの町だけじゃなにも分からなかった。

だが、僕は思う。

一番モンテネグロが楽しめるのは
長距離バスから見える景色ではないか
ということを。

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むき出した、何層にもなる岩の切れ目をバスは走る。

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時折、ポツポツと人が住むような
のどかな風景もあった。


まるでアトラクションのように
岩をくり抜いたトンネルを抜けた。

トンネルには電灯がついていなかった。
だからトンネルの内部は真っ暗った。

たぶん、運転席からはヘッドライトの光で
道がどう続いているかが分かるのだろうが、

バスの横側しか見えていない僕にとっては
けっこうスリルがあった。

対向車がバスとギリギリの
距離ですれ違ったりすることもある。



バスの中では音楽も聴かずに
ずっと考えごとをしていた。

なんとなくセルビアを
5日くらいで回ろうかと考えていた。

ヒッチハイクもしやすい国らしい。

2012年くらいのどっかの大学生のブログで、
3分くらいでヒッチハイクを成功させた
動画を見たことがある。


だが、僕にそんな時間があるのだろうか?

9月初めまでに
ベルリン行ってなきゃいけないのに、
このままゆっくりしてたら
行きたかったチェコに滞在する時間も
なくなってしまう。

それにセルビアで野宿するのって
なんだかヤバそうだ。

自転車旅している人からしてみたら
野宿天国らしいけどね。



そんなさなか、
バスが煙を上げて道の脇に停車した。

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顔を見合わせる乗客たち。僕の思考も止まる。

どうやらバスが故障したみたいだ。

なぁに、すぐに直るだろうと、
一眠りから目覚めても、
バスはさっきの場所から全く動いていなかった。

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バスを降り、コチコチになった体をのばす。

15mくらい離れた茂みに立ちションする。

ちゃんと自分の御子息を
水で洗うことも忘れない。

や、尿ってさ、酸性だと思うんだよね。

ちょっと待て!

え?お◯んちんって洗わない?

もしくは紙でおしっこぬぐわない?



前々からこのトピックについては
書こうかどうか迷った。

そうだな。どこから話そうか?

最初に残尿について考えるようになったのは
小学校の時だったと思う。

みんなが同じ様な白いブリーフを穿いていた時代。

穿きこんだブリーフはどんどんと股間の部分が
黄色くなっていかなかっただろうか?

ちゃんとおしっこした後、
ちんちんを「ピッピ!」と
水(尿)切りしているのにもかかわらずだ。

小学生の時に見た、うちの親父の
白ブリーフの股間も
若干黄色がかっていたのを覚えている。


何が言いたいのかと言うと、
ち◯ちんの先端をピッピ!と振っても
(これを"ション切り"と呼ぼう。今考えた)
100%おしっこは切れていないということだ。

汚い話で恐縮だが、こんな話をする機会は
もう二度とないかもしれないので書いておこうと思う。

僕はどうにか100%の"ション切り"が
できないものかと色々と思考錯誤してきた。

自宅のトイレにいる時は
トイレットペーパーでおしっこをぬぐい、
周りにトイレットペーパーの
ないような状況(駅のトイレなんか)では
人差し指と中指でチューブの絵の具を
出し切るように、おしっこを切った。



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ここで"ション切り"の重要性について解きたい。

これは実は野宿とも切り離せないことなんだ。

おしっことはもともと体の内部にあったものだ。

多少体にくっついていても
問題はないのではないか?

そう思わなくもない。

眉唾ものだが「飲尿法」という健康法もあるらしい。

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だが、僕の経験から言わせてもらえば、
おしっこはできるだけ切るに越したことはないのだ。

旅を始めて以前程に
"ション切り”がままならなくなると、
だんだん違和感を覚えるようになってきた。

ネパールなんかで二日間シャワーを
浴びない時なんかは、

それは"あせも"みたいな
ピリピリした不快感を僕に与えた。

最初にも行った用に尿は酸性だ。
もっと言うなら"弱"酸性。

野宿をする僕にしてみたら、
おしっこをした後はお◯んちんは
洗った方がいいのだ。手を洗うみたいにね。

そりゃペットボトルの水は
もったいないように感じるけどね。

ヨーロッパではどこかしらで水を補給できるので、
水不足に困ることはあまりない。


ちなみに、僕がおしっこの後に
ちんちんを洗うことを意識し始めたのは
インドを旅した時だった。

隣りで放尿してたおっちゃんが、
毎日やっているように慣れた手つきで
自分のちんこを洗っているのを見て、
『ああ、なるほどな』と妙に納得したのだ。


宿に泊まらない旅をして来て、
臭うポジションが"股"と"足"だと思う。

夏のヨーロッパはもちろん暑い場合もあるが、
日本の夏に比べて湿気も少ないし、
汗が臭うことはあまりない。
Tシャツも着っぱなしでもそこまで臭わないしね。

なんせ下着を取り替える
タイミングがあまりないのだ。

まぁ、トイレに下着を持っていって
着替えれば済むだけの話なんだけど。

考えたんだけど、股って
ずっと蒸れてるんじゃないかな?乾くヒマがない。

人間の体の汚れはお風呂に入れば
80%はお湯で落とせるそうだ。

つまり、
ちょっとお股のお手入れをしてあげれば
君の野宿ライフも快適になること間違いないだろう。

そういうことだ。



やばいな…

これで論文書けるんじゃないかな?

タイトルは

「野宿とション切りの関係性について」

ノーベル化学賞も夢じゃない。

僕の頭の中はだいたい
そんなことが議題に上がっている。

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モンテネグロの山道に止まった故障バスは、
車の整備しらしきおっちゃんの
手によって無事に動き出した。

そして、30後に
もう一度エンジントラブルを起こした(おいっ!)

運転手と添乗員のおっちゃんがいじったあと、
なんとかバスは動き出し、5分も経たずにストップ。

乗客たちはみんなうんざりしたような顔になっていた。

結局、後からやってきた同じ行き先の
バスに乗客たちは移動させられることになった。



セルビアの入国もあっという間だった。

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中に国境のスタッフが入って来て、
乗客のパスポートやIDカードを回収して、
スタンプを押しておしまい。

国は変わっても町はのどかなカントリーサイド。

僕はこれでヒッチハイクなんか
できるのかなぁというのと、
ここはガンガン飛ばすべきなんじゃないか
という考えに変わっていった。

バスの添乗員のおっちゃんに言って、
行き先をセルビアの首都ベオグラードまで代えてもらう。

追加の12ユーロ(1,652yen)を支払った。

モンテネグロからだとトータルで37ドルくらい。

昨日のバスキングのお金でまかなうことができた。



バスの故障もあり、
ベオグラードに着いたのは23時前だった。

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近くの公園からは野外ライブの音が聞こえて来た。

夜遅くの時間になっても、みんなが出歩いている。

僕はひとまず巻きたばこを一本巻くと、それに火をつけた。

タバコをすい終わると、
隣りのバスターミナルにWi-Fiにありつきに向かった。

行きたい場所はわかっている。

明日も移動だ。オン・ザ・ロード。

そしてバスターミナルのカフェの裏に
ブルーシートを敷くと僕は寝袋に入った。

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現在、自作キャンピングカー「モバイルハウス」で日本を旅しながら漫画製作を続けております。 サポートしていただけると僕とマトリョーシカさん(彼女)の食事がちょっとだけ豊かになります。 Kindleでも漫画を販売しておりますのでどうぞそちらもよろしくお願いします。