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「ダージリンの路上で歌う」

世界一周249日目(3/4)

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ここはインドの山岳部。ダージリン。今日で滞在3日目だ。

宿に荷物を預かってもらい、僕はジャパンさんに(ちなみにアクセントは一番最初だ。ルパンと同じ)ホームステイさせてもらうべく、彼の働くテンジン・ロックに向かった。

途中で日本人の大学生の男の子に会った。
どうやらデリーからアーグラーに通常の2〜3倍の料金を支払わせて強制輸送させる手口は今も健在らしい笑。4年前に初めてインドに来た僕も「ここは危ないからアーグラーに行くんだ!」と言って強制輸送させられたから。まあ、あの時はインドのお祭り「ホーリー」とかぶっていたってのもあったけどね。

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前回は歩いて行ったが、ジープでも行けるとのことだったので、メイン・バザールのタクシーの乗り場でテンジン・ロック(付近)行きのジープを探す。話によると10ルピーで行けるそうだ。それは安いじゃないか。

ここダージリンではバスよりジープの方が主流だ。山道は細く、起伏が激しい。バスは大きな道しか走れない。何人かの運転手に尋ねたが、テンジン・ロック行きのジープなんてないという。タクシーは200ルピーもするので論外。

「テンジン・ロックそれならあっちに歩いていくんだ」なんて、僕がなんでここに来たのか分かってくれていない。

現地人じゃない僕が言うのもなんだけどさ、こういう時って、せめて「どこそこの近くまで行くよ」と教えてくれたっていいじゃないか。

ようやく「動物園の前までだったら行くけど」という運転手を発見して、僕はジープに乗ることになった。

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動物園の前でジープを降り、テンジン・ロックまでの道のりを軽量化したバックパックを背負って歩く。ジープは排気ガスをまき散らしてテンジン・ロックの方へと突っ走っていった。なんだよ…。もうちょっと先まで乗せていってくれてもよかったではないか。旅をしていると微妙なニュアンスが伝わらないことが多い。

昨日に引き続き、やってきたテンジン・ロック。だが、ジャパンさんの姿はない。休憩でもしているのかな?同じ露店でダージリン・ティーを飲んでギターを弾いていると、別の露店のおっちゃんがやって来て「ジャパンなら今日は葬式で来ないぞ」と教えてくれた。

身内の不幸があったらしい。「それじゃあ明日!」なんて、ホームステイとか言ってる場合じゃないか。物事にはタイミングというものもある。

「そっか。じゃあ、僕はシッキムに行くことにするよ」
「また、ここに戻ってくるんだろう?」
「うん」

おっちゃんにジープを拾ってもらい、僕は再びメイン・バザールの方へ戻った。

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これから向かう先はシッキムというエリアだ。

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そのシッキムへ入るにはパーミット(許可証)が要るらしい。

ウエスト・ベンガルの中国に近いエリア。1950~60年代には、シッキムをめぐってインドと中国が戦争をした経緯もあるそうだ。
また、シッキムではお酒の販売/製造が認められているらしく、そうではないインドの別のエリアの人たちが密輸まがいのこともやるんだとか。

そんな面白い話を昨日お会いしたダージリン在住のコウジさんから教えていただいた。パーミットの取り方もコウジさんから教えてもらっている。

「Foreginer Regisration」へ行って書類を作ってもらって、それをDMオフィスに提出に行けばいいそうだ。パーミット発行の費用はかからない。貧乏バックパッカーは「タダ」に弱い。

まずはフォーリナー・レジスレーションへ行き書類をもらった。DMオフィスまでは少し歩くことになったが、パーミット発行の手続き自体は合計で15分もかからなかったと思う。パーミットの他にパスポートにスタンプが押されていた。なんだか違う国に入国するみたいだな。

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午後からはバスキングをやることにした。ここをインドと考えるなら、今まで一番レスポンスがいいのは間違いなくダージリンだ。

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旅にもルーチンみたいなものがある。もしそこにチャンスがあるのなら、パフォーマンスしてみたいという気持ちが大きい。車の排気ガスに咳き込みながら、メイン・バザールに到着し、昨日バスキングをさせてもらった通りにやって来た。

ダージリンでは足を留めて聞いてくれる人が多い。交通量もそこまで多くないので音が届くのだ。ニコニコしてギターケースの中に10ルピー冊を入れてくれる。僕もそれに応えてられるように音を出した。

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最近になってようやく切れたギターの弦の再生方法を覚えた。
弦の端っこの丸い金具が大事なんだと思う。切れた金具と余った弦をより合わせてエンドピンにを差し込む穴に埋め込む。2~3回目の再生の時は弦の切れ端がエンドピンを差し込む穴に引っかかってしまうのでー…、爪切り買おうかな?
弦の再生に手こずっていると、キーホルダーに爪切りを付けたおっちゃんが手を貸してくれた。こういうサポートもありがたい。

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遠くに日本人の姿が見えた。
服の着こなし方でなんとなくだけど分かった。ちょっと遠くの方で聴いてくれてる。演奏が終わった後、声をかけてくれたその人はなんと「旅する(元)遊具設計士」と名乗った。なに?遊具設計士って!そんなお仕事あったんですか!?

「写真撮らせてもらったんですけど、よかったらコピーします?自分が唄ってる姿って写真撮れないですよね?」
「マジっすか!あざっす!」

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近くのカフェでチャイをすすりながら、Macに写真をコピーさせてもらった。
他にもデザインした遊具の完成写真を見せていただいたり、旅をされたというイランの話を聞かせていただいた。
シャルージャからシーラーズまで船で行けるって…しかも5千円って…。
訪れたことのない地名を聞いてもピンとこなかったが、この後に向かうイランが少しだけ身近に感じられた。


旅をしていると面白いことがしょっちゅう起こる。
ホームステイはできなかったけど、素敵な出会いがあった。

これから向かうシッキムも、ついこの間までの僕の予定にはなかったから。

アンテナを研ぎすまし、面白そうな方向へ。

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現在、自作キャンピングカー「モバイルハウス」で日本を旅しながら漫画製作を続けております。 サポートしていただけると僕とマトリョーシカさん(彼女)の食事がちょっとだけ豊かになります。 Kindleでも漫画を販売しておりますのでどうぞそちらもよろしくお願いします。