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「双子にスケボーを奪われ、バスキングの反応はイマイチだ」

世界一周320日目(5/14)

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サンジ的に言わせるなら「クソ綺麗なホステル」がここだと思う。その割には写真を撮っていないのでカナダ出身のおしゃべりなマイクさんのリアクションから想像してもらうしかないですね(笑)

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今僕が泊まっている「Comfort Plus」はたぶんオープンしたばかりなのかもしれない。テーブルは三台。テレビの前の低めのテーブルが一台。部屋の隅にプラスチック製のものが2台ある。マルチタップはあるものの、コンセントの数が少なく、充電しながら作業するにはプラスチック製のテーブルを使わざる得ない。

一台のテーブルの半分のスペースは、宿のスタッフ、エリザさんの作業机に。もう一台というと重度のしゃべり好きなカナダ人、マイクおじさんが一日の大半をそこで過ごしている。なんかすっげえジョージアが大好きらしくー、あっ、ごめん、グルジアだったね。ほら、ここにくると「ジョージアってさ…」ってな感じで環境に適応しちゃうわけよ。ははーん。すいません、ウザかったよね。自覚してます(笑)

それと、なにやら4年間世界を旅しているという韓国人のおばちゃん、ナヤさんがいる。この人も長期の滞在みたいで、テーブルにいつもパソコンを起きっぱなしにしてるんだ。まったく、テーブルにありつくのも一苦労だよ。

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僕はこの街を探索してみることにした。

ジョー、ごめん、グルジアの首都トビリシ。そこそこの規模の都市だし、アルメニアと比べるとメトロの駅数が多い。乗り換えの駅もある。一体どこが街の中心地なんだろう?バスキングにぴったしの場所はあるのだろうか?

僕の頭はいくぶんお金に支配されていた。アルメニアで15ドルは稼げていたから、ちょっと物価の上がったグルジアでバスキングしたらお金持ちになっちゃうかもよっっっ!!??目を「ラリ(グルジアの通貨)」に変えて街で一番栄えている場所を僕は探す旅に出た。

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あえて、一番大きな乗換駅である「Station Squere」までいかず、どこかわからない駅で降りてみる。メトロはどこまで行っても一律0.5ラリ(29yen)だ。

事前にメトロカードを購入して、随時それにチャージしていくシステムだ。僕はとりあえず5ラリ(290yen)分チャージしておいた。

改札を出た所に係員さんと猫が仲良くワンフレームにおさまっていた。思わず膝をついてカメラを向ける。

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まわりにいたおじさんたちは微笑ましい目で僕を見てくれた。ロシアでもそうだったけど、この国でパンを多く見かけるようになった。

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安くてボリューム満点のパンがウインドウ越しに美味しそうに並んでいる。朝ご飯に買ったのは砂糖をまぶしたパン。近くで売っていたリンゴも買った。アルメニアあたりからトムソーヤみたいにリンゴを丸かじりするのが好きになった。パサパサしたパンと一緒に食べるといい具合に口の中でリンゴパンが出来上がる。お腹もいっぱいになるしね。

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値段はアルメニアと比べると確かに高い気がする。

それでも美味しそうなパンをみかけるとついつい食べてしまうのだ。『なんだよこれ!めちゃくちゃ美味そうじゃないか!!!』ってなかんじで。お腹が一杯でもパクパクパクパク、グルジア二日目で太る気しかしない…。

リンゴを口にくわえたままシャッターを切ろうとしたら、案の定落っことした。それを見ていたパン屋のおっちゃんがペットボトルに入った水でリンゴを洗ってくれた。

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方向音痴っぷりを発揮して、目的地とは反対方向に進んでしまったりしたが、初めての街ではそれもありだ。野良犬もいないし、Penny Boardに乗って車道の脇を走る。試しに人通りのある階段の中腹で僕はギターを構えた。

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昨日アルメニアからのマルシェで降りた、Station Squereの近く。時刻は14:00。グルジア初めてのバスキングだ。まぁ、遊びだよ。いったいどんなレスポンスがあるのだろう♪

5分も唄わないうちにここでの人々の反応がアルメニアとは全くことなることに気づいた。スマイルがないのだ。みんなニコリともしない。ごくわずかの人が目を合わせると微笑んでくれるくらい。そりゃ僕みたいな素人に毛の生えた程度のスキルのヤツが唄っているんだから、それはそれで当然なんだけど、国境をまたいだだけで、こんなにも人々の反応が変わってしまうものなのかとショックを受けた。

場所が悪かったってのもある。階段の下に場所を移してみたりもしたが、だからといってレスポンスが変わるわけでもなかった。まわりの売店のおばちゃんが笑って見ててくれなかったら、僕は今頃軽くヘコまされていたことだろう。

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町歩きもかねて、フリーダム・スクエアへと向かった。

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宿にいるカナダ人のマイクおじさんいわく、フリーダム・スクエア周辺に行けば稼げるかもしれないとのことだった。

冒頭にも出てきたマイクおじさん、あまりにお喋り過ぎて最終的に何が言いたいのか分からない。話の話題がAからBに行って、Cの結論があると思ったら、C’(ダッシュ)、D、Eというふうに、延々と話が続くのだ。僕がバスキングをするということを知って、オススメの場所を教えてくれたのだが、気づいたらオススメの村の話になっていた(笑)。1の質問に対して5~6くらいの回答で応えるおじちゃん。だから、かろうじてわかったのは「フリーダム・スクエア」に行けばいいかもしれない。ということだった。

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フリーダム・スクエアの中心に金色の彫像が見え、その後ろに「SAMUSUNG」と書かれた文字が見えた。そして、「スクエア」という割には全然スクエアじゃねえしっ!いや、上から見るとスクエアなのか!!??車道にうまいこと囲まれた通りは安定した人通りがない。インフォメーションがあって、車の走行音で路上演奏なんてできない。

ボヤボヤしていると不思議の国のアリスにでてきそうな双子が僕のPenny Boardを奪っていった。

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どちらも同じ服を着て、同じ顔をして、どちらのジーンズのチャックも半開きになっていた。僕がそれを指摘すると、恥ずかしそうにジッパーに手をやって社会の窓を閉めようとしていたが、噛み合わせの悪いジッパーなのか、なかなか閉まらなかった。二人とも(笑)
なんでったって双子って同じ服を着させられるんだろう?小学校くらいまではそんな疑問に思わないのかなぁ?えっと、君はどっちだ?

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まだ初めての街だ。これからどこでバスキングをやればいいのかを確かめていけばいい。フリーダム・スクエアがバスキング向きではないことが分かると僕は周辺をさまよった。

バスキング場所を探して地下道を歩いていると、グルジアのバスカーを発見した。どうやらバスキングという文化はトビリシの街にもあるらしい。

僕のギターを借りてテキトーにコードを弾いて「わっはっは!」と照れ笑いしてたファニーなおっちゃんだ。

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小さなギターのような楽器を持って、男女混合で唄っている。面白いスタイルのバスカーも見つけた。今まで同業他者(ってわけでもないけど)にあまり会うことがなかったからいうのを見るとエールを送りたくなる。とりあえず0.4ラリ分のコインをケースに入れて親指を立て。他にもバスカーがいるということはだ。僕もここでやっていいってことだな!

向こうの音が聴こえない位置でギターケースを置いたが、すぐに「唄うなら外だ!」と露店の人から追いやられてしまった。いるんだよね~!こういうボス的な人がさ~!へっ!いいさ!外でやればいいんだろう?

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別の地下道の入り口前で静かに歌い上げた。

周りのお店のおばちゃんたちが、ニコニコしてコインをギターケースに入れてくれた。

どこか別のお店から一人のおばちゃんが僕の前にやって来て、おもむろに僕の胸を揉んで去っていった。

「ぎゃははは~!おとこだった~!」

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や、確かに長い髪して後ろでゴムで束ねて、眼鏡かけて、高いキーで唄ってるけど…まさかセクハラされるとは思ってなかった!しかもおばちゃんに!!!いや、あれは確信犯だったのかもしれない!でもなぁ…おばちゃんにモテてもしょうがないよ…。

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ボチボチのレスポンス。全部コイン。

便所番のおばちゃんから「唄うならあっちがいいと!」遠回しに地下道から追いやられる。最後にメトロの前で唄って僕は宿に戻った。


宿に戻ってナヤおばさんと一緒にコインを集計した。アガリは合計13.40ラリ。7ドルちょっと。まぁ宿代だなぁ。アルメニアではいつもコインを入れる袋が膨らんでいたのに、こっちではその半分も入っていない。ついつい比べて考えてしまう。

僕はバスキングで旅をしているわけじゃない。アルメニアのエレバンはレスポンスがある町で、楽しくって毎日唄ってた。それなりに出会いもあった。稼げるか稼げないかを基準にバスキングをやるかやらないかを決めることもないけど、ここではバスキングに固執する必要はないな。

もう何日かやってみてそんなにレスポンスが得られないなら旅のスタイルを切り替えればいいのだ。唄うことは楽し、お金入ると嬉しいけどね♪

まぁ気楽に構えようぜ?あ~今日も楽しかった♪

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(そういえば、メトロの広告がなかなかにダークだった)

現在、自作キャンピングカー「モバイルハウス」で日本を旅しながら漫画製作を続けております。 サポートしていただけると僕とマトリョーシカさん(彼女)の食事がちょっとだけ豊かになります。 Kindleでも漫画を販売しておりますのでどうぞそちらもよろしくお願いします。