北へ南へ 15日目 京都編 白露
※この記事は2021年時点の情報です。
ぼんやりと窓の方を見るとまだ暗い。スマホの時計は4:30。喉が渇いていたので水を一口飲んで二度寝する。
もう一度起きた時には6:00になっていた。暗闇の中でカーテンの縁をぼんやり光がかたどっている。やっと夜が終わったようだ。
今日は旅程も1/2が過ぎた節目。若干の腰痛も感じるので交通機関を使って行くのに最適な場所を考える。スマホの地図アプリを見ながら、現在地から電車で10分の伏見稲荷が良さそうということで行き先を決める。
まずはコーヒーを入れる湯を沸かす。その間にヨガ。
昨日買った青豆乳で豆乳オレを作るも豆が濃厚過ぎてコーヒーが完敗。これは湯葉飲んでる感じで合わなさすぎて笑う。「青豆乳はこってり、赤豆乳はさらっとした飲み口」と店頭にあった説明書きには書いてあったので次は赤豆乳を買って試してみたいと思う。
祇園四条駅に向かう。電車に乗るのは京都初日以来。まだ7時前ということもあってか平日でも人は少ない。快速を見送って普通に乗る。
8分ほどで伏見稲荷駅に到着。
伏見稲荷大社の最寄駅は稲荷駅だが京阪だと乗り換えが必要なので乗り換えなしで少し歩くことにした。乗り換え待ちで10分待機よりも乗り換えなしで10分歩く方が性に合っている気がした。
伏見稲荷大社に到着。
参拝するとニャアニャアと猫の鳴き声が聞こえてきた。すぐ近くにいると思うが姿が見えない。近くの白人女性もキョロキョロと探している。
奥社を通って稲荷山に入る。山といってもオフロードなしの石段。スニーカーでサクサク進んでいく。少ないながらすれ違う人もいるので大文字山よりも大分に気楽。
サクサク進んでいたら前を歩いてた女の子に追いついてしまったので少し距離をとる。少ししたところで女の子は光の差す方に曲がっていった。自分はこっちの鬱蒼としてる方に進む。
少し歩いたところで夫婦に話しかけられた。子猫が餌を食べるのをカラスに奪われないように見張っててほしいとのこと。指さす方向にカラスが2羽。先を急ぐ風だったが少し話をしている間に子猫はほぼ食べ終わっていた。
「あそこにいるカラスに取られてしまうのよ。子猫3匹生まれてかわいいのよ。」
「ぽっ」という鳴き声が聞こえたので立ち去る。すれ違う人に「猿かも?」と伝えた。
すれ違う人は散歩が半分、駆け足のトレーニング勢が半分。
四つ辻に到着。
休まずに山頂まで向かう。
見晴らしが良い場所でもなさそうなのでぐるっと回って本堂まで戻る。
立派な社があったので見ていこうかと思ったが階段を登ろうとしたところでパキっと音がしたので「虫の知らせ」と受け取って踵を返す。
「神隠し」さながらに右手から広がる白いもやに包まれる。やばいかなぁと心臓が止まったが売店のおばさんがゴミを燃してただけだった。
信仰心はないがSF(すこしふしぎ)は信じているのだ。
歩いていると涼しくて気持ちがいい。遠くに蝉の声が聞こえる。
四つ辻まで戻るとベンチで何人か休んでる人がいた。小休憩。
ここからは来た道を戻る。本格的に蝉が鳴き出すと朝が始まった感じがする。
さきほど四つ辻で見た人を再び見かける。立ったまま何か食べてる。
下まで戻ってきた。
京阪電車で祇園四条まで戻る。
花見小路近くの喫茶店、ABCとモーニングセットがあって、ショーケースにはCセットだけ食品サンプルが飾ってある。AとBの内容が気になっていたがこれか。
部屋に戻ってシャワーを浴びる。回収してもらうためゴミ箱を廊下に出しす。めちゃくちゃお腹が空いているので急いで朝飯を準備する。
伏見稲荷にいたときから「あの濃厚豆乳、どう使えば美味しくいただけるのか」を考えていた。考えた末に、「味噌汁の素と合わせればポタージュっぽくなるのでは?」とひらめいたので試してみることにした。
味噌汁(わかめ)を少量の湯で溶いてから豆乳を注ぐ。一口飲んでみる。味噌と豆乳、同じ大豆なのだから合わないはずがない。例えるなら「豆腐の味噌汁を液状化した汁物」が出来上がった。少なくともコーヒーに入れるよりは合ってる。
昼飯の調達に出る。暑い。
「生麩を食べたい」の一心に突き動かされて錦市場に向かったが、開いている店先で見つけたのが”生麩6串600円”と多い・・・一心が揺らぐと目移りが始まる。鯉の煮付け、はも天、湯葉、どれもこれも美味しそうだ。
1串単位で売ってないかと往復してみたが見つけられなかった。
空腹に耐えきれず、生麩は諦める。
大丸でアボカドサラダ、ツナ缶、蒜山ジャージーヨーグルト(ご褒美)、牛乳を購入。すごく良い。人通りの多い四条大橋を避けて足早に団栗橋からホテルに戻る。
打ち合わせを一本終わらせてから昼飯。
立ち上がって食糧のストックを突っ込んでいる段ボールからバケットを取り出して食べる分だけナイフで切る。ツナ缶をアボカドサラダの器にあける。蒜山ジャージーヨーグルトも蓋を開ける。表面にできている乳脂肪の膜をバケットに塗って食べる。うまい。よし、コーヒーも淹れよう。
八坂神社から円山公園を抜けて、岡崎公園まで歩く。散歩には河原町に行くことが多いように思うが、今日はもう買う物もとくにないので何となく岡崎に向かう。日差しが強く、首の後ろがジリジリと焼けている感覚がある。
岡崎公園では「平安蚤の市」をやっていた。平日なのにこんなイベントをやっているのか。調べてみたら毎月ほぼ10日に開催してるようで、今日はたまたまその日だったらしい。
なるほど、さっき上着のポケットから5千円札が一枚出てきたが、これは「この5千円でこの蚤の市で何か買え」という天からのお小遣いでしたか。すべてが繋がりました。
そうと決まれば早速見て回る。
あれこれ見て回る中で茶色のマグカップが目に止まった。持ってみると手にも馴染む。値段は4800円。ほぼ一目惚れという早さで「ください」と言う。
マグカップをリュックにしまって軽い小走りきた道を戻る。
花見小路も夕暮れになってきた。黒地に大きくもみじの描かれた帯を締めた着物の京女が先を行く。さらに先にある茶屋の前でいかにも「おかあさん」な人がタクシーを見送るのを見つけると、小走りに近づいて「こんばんわーおかあさん」と挨拶。
コンビニで醤油とヒガシマルのうどんスープの素を購入。
小型炊飯器に二分割の内釜をセットして一つは水と豆腐、もう一つには豆乳を入れて温める。夕飯は湯豆腐と汲み上げ湯葉をする。味付けは醤油のみ。
一通り満足したところで豆乳にヒガシマルのうどんスープの素と炊いておいた米を入れて温め直す。ドリアっぽくてうまい。
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