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金沢から京都へ 北陸本線沿線の古戦場を巡りつつ戻る旅【青春18きっぷの旅 23年春 #3】

前回、金沢市街から離れて、金沢の物流をかつて支えていた港町大野・金石を巡ってきた話をしました。

13時頃に、金沢駅に戻ってきたのですが…
金沢駅は人でいっぱい。飲食店もまだ並んでいる状況で、駅そばですら行列という有様でした。

少し早い時間でしたが、さっさと金沢を離れることにしました。

13:29 金沢出発

飲食店で行列に並んでいたら、いつ食べられるのかわからないため、金沢駅の「えきべん処 金澤」でおむすびを買って、早めに福井行きの列車に乗りこみました。
ここのおむすびは結構おいしいので、急いでいる時にはいいと思います。

隣のセブンイレブンで、北陸ビールを買って、昼間から一杯あおることに。

…と思っていたら、あれよあれよの間に車内は混雑。
温泉地にでも行きそうな大荷物を持った人たちの姿も見えるほどでした。

前日も渡った手取川。
この日は天気もよく、向こうに白山もよく見えます。

上杉謙信と、信長配下の柴田勝家が干戈を交えた「手取川の合戦」があったのが、このあたりです。
渡ってすぐの小舞子駅から、古戦場まで歩いて行ける距離です。

上杉謙信の能登(石川)の七尾城攻めに際して、籠城側の畠山氏から救援要請により派遣されたのが柴田勝家でした。
しかし、落城に間に合わず、かつ、その報も遅くなったことにより、勝家は痛手を負うことになったのです。

当初は、気が向けば、小松あたりで降りようかと思っていたのですが、予想以上の混雑で、気が進みませんでした。
このまま福井まで南下することにしたのです。

14:59 福井到着 1時間ほど休憩

1時間半電車に揺られて、福井に着いた頃には混み合った車内で少し疲れていました。

青春18きっぷシーズンの場合は、同じ面々が、同じ列車に乗り、同じ列車に乗りかえることは多々あります。
このような時は、本数がある路線であれば、1本見送って休憩を取るのが本当にオススメです。
そうすると、次に乗る列車が空いていることも、よくあるからです。

前日に見るものは見たので…

駅のあたりをふらふらと歩きまわり、コーヒーでも飲んで気分転換していました。次の列車で、敦賀まで向かいます。


16:37 敦賀(福井)到着

敦賀駅
1年後には、北陸新幹線の終着駅となる駅です。
駅もかなり整備され、駅前の店もかなり増えた印象です。

20年くらい前からあるものもあって…

駅前にある銀河鉄道999の銅像です。
銅像の前に押しボタンがありますが、ここを押すと大音量で「銀河鉄道999」が流れます。

敦賀市内には、松本零士先生の銀河鉄道999・宇宙戦艦ヤマトの銅像が28体あるそうです。
松本零士先生が、敦賀と縁がある訳ではないのですが、「港」「駅」をキーワードに、敦賀開港100周年記念の際にこれらの像が建てられたのです。

敦賀市内の散策は後日の楽しみにして、家路に向かうことに。


16:59 敦賀発 琵琶湖までの山越え

敦賀から山を越えれば、すぐに琵琶湖。
関西まであと一歩です。

夕方、まだ明るい時間に敦賀を出ることが滅多にないので、珍しい写真が撮れました。

グーグルマップなどで見ると、わかりやすいのですが、敦賀の南で線路がループを描いています。
列車内から撮ったこの写真ですが、下の線路と直交しています。これは、敦賀駅を出てほどなく通った線路で、ループを通って一段高い所から撮ったものです。

関西方面へと抜ける列車にとって、敦賀の南の山は急な坂になります。鉄道にとっては急な坂は天敵。
そのため、ループ線で距離を稼いで、徐々に高度を上げているのです。


近江塩津駅(滋賀)
近江塩津からもう少し行けば、琵琶湖が見えます。

水運が物流の主役だった時代は、敦賀からこの山を越えて、琵琶湖の北岸まで荷物を運び、琵琶湖経由で大津・坂本…といった港町に船で荷物を運んでいたのです。

今回、少しだけ寄りたい所があったので、一旦下車して、米原方面の列車への乗換です。


17:38 木ノ本到着 古戦場を眺める

木ノ本駅(滋賀)
米原あたりから北に伸びる、北陸道の宿場町が近くにある町です。
西側には山が見えています。

西側に見えるのは賤ヶ岳。
織田信長が本能寺で倒れた後、織田家の家督争いの中で、秀吉と勝家がぶつかったのがこの山の辺りです。


木ノ本駅の東口前には、賤ヶ岳の合戦を制した、秀吉の兜を模した飾りのついたポストがあります。

湖北では、戦国時代に何度も合戦が行われていますが、北陸方面からの勢力にとっては、賤ヶ岳から南に平地が広がっているため、戦略上重要な場所でした。
それと同時に、ここでの勝敗は、今後の趨勢を決めることになります。

この戦いで敗れた勝家は福井・北ノ庄城で滅ぼされ、片や秀吉は天下人への道を歩むことになったのです。

18:15 木ノ本発 京都へ

18時を回り、あたりは暗くなってきました。
木ノ本駅からは、新快速で1本で京都へ向かいます。
ここから1時間半の旅路になります。


今まで18きっぷの旅を何度もしてきていました。

北陸本線の旅では、乗換駅で降りることがほとんどでした。
というのも、東海道本線ほど本数がないから、そして、沿線を外れて東西への移動は非常に難しいから…というのが理由でした。

今回、2日かけて今まで降りたことない所を巡ってみて、新鮮な感じでした。

乗換駅だけでは感じ取れなかった地政学的な感覚や、海沿いと陸上との対照的な風景が見られたのが、今回の旅で面白かったことです。
あと18きっぷが2回分ありますが、また北陸本線の沿線に行くことになりそうです。

5月の新刊に向けて、足しておきたい所もありますので。


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