クイズあり!世界遺産について深く学べる「世界遺産ゼミ」が開講しました:DAY1レポート
皆さん、こんにちは!TABIPPOイベントライターのさっつんです。
突然ですが、皆さんは世界遺産といえばどんなキーワードを連想しますか?「観光地」「有名」「テレビでよく見かける」、はたまた「よくわからないけどなんかすごい」などいろんなワードが連想されると思います。
そんなイメージのある世界遺産ですが、コロナ禍で気軽に旅行に行けなくなった中で、最近では世界遺産にスポットを当てたテレビの特集も増えてきていますよね。
注目を集めている中、TABIPPOでは世界遺産に対してもっと理解を深めようとこの度「世界遺産ゼミ」をオンラインで開講しました。4月29日(木)に開催されたDAY1のイベントレポートをお伝えします!
世界遺産ゼミってどんなことをするの?
世界遺産を訪れると、「この場所はなんで世界遺産なんだろう?」と考えたことはありませんか?
世界遺産にはその国のバックグラウンド(歴史や宗教、文化など)が深く関わっており、知っているともっと旅が楽しくなります。けれど歴史や文化は幅広いため、「勉強の仕方がわからない!」とつまずくことも。
そこでTABIPPOでは、「プロの方から教わって自分の旅をもっとよりよくできたらいいな!」とか「海外に今いけない中で、今のうちに知識を蓄えたい!」と考え、世界遺産ゼミを開催することにしました。
4月29日から6月17日までオンラインで計5回の講義が開かれます。「世界遺産の固定概念をぶち壊す」ところからはじめ、毎回さまざまなテーマで世界遺産を学びます。最終回のDAY5では講義で学んだことを活かし、これからの自分の旅についてゼミ生同士で発表するプレゼンが開かれます。
世界遺産と世界史が大好きなことが高じて、歴史学科を卒業した私からするとすごく魅力的なゼミ!読んでくださった皆様に楽しさが伝わるようレポートをお届けするので、よろしくお願いします。
運営メンバー紹介
今回は初回なので、まずは3人の運営メンバーと2人のコミュニティマネージャーの自己紹介から。
運営メンバー1人目は、司会進行のさーやさん!世界遺産訪問歴は39ヶ所と多かったのですが、「まだまだ知らないところが多いので、皆さんと学んでいけたらいいな」と意気込みを語ってくれました。
2人目はTABIPPO社員のアラシさん!「行ったことがある世界遺産数えられてない!」と自己紹介で語っていましたが、以前noteに書かれていました。どこに行ったのか気になる方はぜひ読んでくださいね!
世界遺産ゼミでは企画や運営、ガヤとゼミ生のサポートを担当します。
3人目は同じくTABIPPO社員のシュカさん!「世界遺産検定2級取得をがんばろうと思っているので、今回皆さんと楽しく学んでいけたらいいな、と思っています」と元気に意気込みを語ってくれました。
世界遺産ゼミではアラシさんと同じく企画や運営、ガヤ担当とゼミ生のサポートをされます。
コミュニティマネージャー1人目はけいとさん!「世界遺産は高校の修学旅行で京都に行ったことと、この間北海道の知床に行ったぐらいで、全然行ったことがない!このゼミを通して世界遺産のことを知っていきたい!」と明るく語ってくれました。
「知床いいなー」と自己紹介を聞きながらパソコンの前で私は羨んでました(笑)
2人目はさやかさん!「世界遺産はどこが世界遺産かもよくわかっていないけれど、モン・サン・ミシェル(フランス)と厳島神社(広島)にいきました!」とのこと。世界遺産検定は2級にチャレンジするそうです。
世界遺産検定2級まではどなたでも受験できるので、「まずはこの級から!」とチャレンジされる方が多いです。私も世界遺産検定2級からチャレンジして、合格しました。
旅といえばどんなワードを思い浮かべる?
自己紹介が終わり、次はMentimeterを使って、「あなたにとって旅といえばなんですか?」をテーマにアイスブレイクを行いました。
続々と入力されたワードが出てきて、その中から「これってどういう意味だろう?」と思ったワードがピックアップされました。
まずは「生きた証」です。こちらを入力したのは、ゼミ生のまさみさん。お話を聞くと、
「20代にいろんな国や世界遺産を見てきて、こうやって生きてきたな、形に残ってきたなと感じていました。自分の気持ちに素直になって行動した結果形になったので、これからもそういう気持ちを持って生きていきたいなと思ったので、生きた証と入力しました!」
チョイスしたワードも、その理由もかっこいいですね!
続いてピックアップされたワードは「修行」です。こちらは、運営メンバーのアラシさんがチョイスしていました。
「海外に行くと辛いことや楽しくないことが多い。汚いとかコミュニケーションが取れないとか!だけど逆にそれがよくて、旅に行きたくなっちゃう!」
確かに海外に行くと、日本にはあって当たり前のものがなかったりするので、非日常を味わえるところが魅力の1つですよね。コロナ禍で旅行することはなかなか難しいところがあるけれど、旅のことを改めて振り返ることができる時間でした。
片岡英夫さんの講義:世界遺産の固定概念をぶち壊す!
自己紹介とアイスブレイクが終了し、いよいよ講義の時間です。
世界遺産ゼミの講師は......
世界遺産アカデミー認定講師の片岡英夫さんです。片岡さんは『笑ってコラえて』や『99人の壁』などテレビ出演もされているほか、各地で講演会などを行っており、世界遺産の人気カリスマ講師。
・海外地理検定の地理名誉博士
・世界旅行地理検定の最高得点賞
・世界遺産検定の最高峰マイスター合格者第1期生
を受賞・獲得しています。この3つのタイトルを持っているのは日本で片岡さんただ1人だけ!素晴らしい経歴の持ち主です。
世界遺産ゼミでは
・「どうして世界遺産は今世紀に入ってブームになったのか?」
・「世界遺産ってどういうものなの?」
・「どうやって決まったの?」
・「いくつくらいあるの?」
などさまざまな疑問をDAY4までの講義を通して、楽しく教えてくださいます。
第一問:『パリのセーヌ河岸』
今回のDAY1ではクイズ形式で講義が行われました。出題された世界遺産は、『パリのセーヌ河岸(フランス)』『金閣寺』『首里城』「サグラダ・ファミリア(スペイン)』の4つ。
皆さんもクイズの答えを考えてみてくださいね!第1問はこちら。
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正解は……Bの凱旋門でした!
エッフェル塔は1889年にフランス革命100周年を記念してパリで開催された、第4回万国博覧会の記念モニュメントとして建てられました。セーヌ川一帯は中世から近現代まで、フランスの1000年の都を代表する建物がいろいろあるため、この区域は世界遺産と定められています。
凱旋門はナポレオン=ボナパルトの戦勝を記念して建設され、決して歴史的価値がないというわけではないのですが、フランス政府が何らかの理由で凱旋門まで世界遺産に入れなかったのが理由として挙げられていました。
第二問:『金閣寺』
続いてのクイズは、京都府京都市にある金閣寺についてのクイズです。金閣寺は世界遺産登録名『古都京都の文化財』で構成されている寺社仏閣のうちの1つですよね。
(写真撮影:さっつん,2014年)
黄金に塗られた金閣寺そのものが世界遺産に登録されたわけではありません。それはなぜでしょう?
「寺の本体が世界遺産じゃないの⁉︎」と驚いた方もいるのではないでしょうか?室町幕府の3代将軍の足利義満によって建てられたので、歴史的にみてもその価値はありますし、何より黄金の舎利殿が印象に残りますよね。
その印象に残る金閣寺そのものが世界遺産に登録されたわけではない……「えっ、どういうこと??」と思いますよね。
実は金閣寺、1950年に黄金に輝く舎利殿が焼失し、国宝の指定が解除されています。1955年に創建当時の姿に復元したものの……重要文化財でも国宝でもなく、世界遺産の完全性を満たしていないことになります。(完全性とは簡単にいうと、顕著な普遍的価値を構成するために必要な要素が全て含まれていることを指します。また長期的な保護のための法律などの体制が整えられていることに加え、遺産の劣化がコントロールされていることや、生きた遺産の特徴や機能が維持されていることなどが求められています。)
つまり、今私たちが見られる金閣寺は2代目の金閣寺ということになります。ではなぜ金閣寺は世界遺産の構成資産に含まれたのでしょうか?
庭園が世界遺産に登録されるなんてこちらも驚きです。世界遺産が好きと言いつつ、「まだまだ知らないことがたくさんあるな〜」と実感するクイズでした。
庭園が世界遺産に含まれているので、世界遺産金閣寺として写真を撮るのであれば、庭園も含んで撮るのが本来ではないのか?と片岡さんは仰っていました。(例:金閣寺クイズの1枚目の写真)
第三問:『首里城』
続いてのクイズは首里城についてです。
2019年10月31日、沖縄県那覇市にある世界遺産首里城の正殿・北殿・南殿が焼失してしまいました。今後、世界遺産の登録はどうなってしまうでしょうか?
A.世界遺産に登録されたまま
B.全構成資産が世界遺産から登録抹消
C.構成資産から外されるが、復元されれば戻される
D.危機遺産に登録される
このニュースの半年ほど前に首里城に行っていたので、首里城焼失のニュースは非常に衝撃的でした。さて、焼失してしまった首里城は世界遺産から除外されてしまうのでしょうか?
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正解は……Aです!ではなぜ世界遺産に登録されたままなのでしょうか?
実は今回焼失した正殿・北殿・南殿は世界遺産ではないのです。「え、それじゃあ首里城のどこが世界遺産なの?」と思われる方もいらっしゃると思いますが、それはこちら!
(写真撮影:さっつん,2019年)
わかりにくい写真で申し訳ないのですが、首里城は”遺構”が世界遺産に登録されています。2019年の火事では、遺構部分に被害がなかったため世界遺産に登録されたままとなりました。
第四問:「サグラダ・ファミリア(スペイン)』
最後のクイズはこちら!
スペインのバルセロナにある象徴的な建物サグラダ・ファミリアについてです。コロナが蔓延する前は、設計者であるアントニ・ガウディの没後100年の2026年には完成すると言われていた建造物です。
行きたいなと思われている方は、完成前に行きたいですか?完成後に行きたいですか?(私は完成前に行きたい派です!)
ちなみに今の主任彫刻家は、日本人の外尾悦郎さんです。スペイン本国のいろんな彫刻家さんがいらっしゃる中で、重要な仕事を任されるなんてすごいですよね!1度でいいので、外尾さんにお会いしたいなとサグラダ・ファミリア関連のニュースを見る度に思います。
さて、クイズの正解はこちら!
正解は、世界遺産でもあるし、世界遺産でもない。どちらも正解です。左側が建設中の世界遺産ではない部分、右側が完成した世界遺産である部分です。
「完成まで待てない!」「今すぐみたい!」という方のために、サグラダ・ファミリアの完成予想図動画も放映されました。
以上が世界遺産ゼミDAY1の内容です。これからさらに世界遺産について深掘りされていくので、次の講義も楽しみになりました。
それでは皆さんDAY2でもお会いしましょう!
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取材・文:さっつん
福岡在住。本業の傍でライターとして働く。ハリー・ポッター好きが高じて、大学時代に初海外で単独イギリス留学。渡航国は乗り継ぎや留学含めて9ヵ国。好きな分野は世界史(歴史学科卒業)と世界遺産(世界遺産検定2級所持。1級勉強中)。好きなことは映画鑑賞と写真撮影。
編集:五月女菜穂
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