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旅の経験が生きる!仕事にもプライベートにも役立つ「マーケティング力」の磨き方

みなさん、こんにちは!TABIPPOライターの西嶋です。

今回は自分と世界の豊かさをつくるニューノーマルトラベラーが育つ学校「POOLO」で行われた講義の様子をレポートします。

8月6日に行われた講義 「あたらしい旅のスタンダードを広めるためのTABIPPO流マーケティング思考法」の様子をレポートします。登壇者は、株式会社TABIPPO 代表取締役の清水直哉さんです。

登壇者:清水直哉さん

1988年生まれ・群馬県出身。世界一周のひとり旅を含めて世界40ヶ国を渡航。新卒で、インターネット広告代理店である株式会社オプトに入社。ソーシャルメディア関連事業の立ち上げや、最年少マネージャーを経験した後に、独立を決意。世界一周の旅路で出会った仲間たちと共に起業をして、株式会社TABIPPOを創業する。TABIPPOでは「旅で世界を、もっと素敵に」を理念として、旅を軸にミレニアルズ向けの事業を多角展開。観光局・自治体などのマーケティング活動を支援しながらも、責任者として次世代のグローバル人材を育てる旅人の学校「POOLO」や、旅と平和の野外フェス「PEACE DAY」などの立ち上げを担当している。サッカーと漫画、カレーとビールが好き。

マーケティング=「1. 誰に 2. どんな価値を 3. どう伝えるか」

コロナ禍になって、旅や観光のあり方は大きく変わりましたよね。

これまで「旅をすること」と「滞在すること」と「暮らすこと」は完全に分かれていました。ところがコロナ以降、人びとの価値観や欲求が変化し、旅と滞在、暮らしの境界線があいまいになっているように思います。

そんな中、いまTABIPPOは「あたらしい旅」という考え方を提唱しています。「あたらしい旅」を広めるには、マーケティングの力が欠かせません。

さて、あなたは「マーケティングって何?」と聞かれたら、なんと答えますか。いろいろな答えがあると思いますが、これだけは確かです。

マーケティング=「1. 誰に 2. どんな価値を 3. どう伝えるか」

飲み会の幹事に必要なのは「マーケティング力」⁉

「マーケティングは専門外だから」という人もいるかもしれませんが、僕は、マーケティング力は全人類共通のポータブルスキルだと考えています。

身近なところでいうと、飲み会の幹事もマーケティング活動だといえるでしょう。告知して参加者を募って、場所やお店を決めて、お金を集めて……。

北海道のお店で飲み会をしても東京の人は誰も来てくれないだろうし、参加費が5万円でもダメ。参加者が増えて、みんなが楽しめるように、無意識にあれこれ考えているはずです。

「マーケティング」と「マネジメント」

僕は、ほとんどのビジネスは「マーケティング」と「マネジメント」の2つの要素で成り立っていると考えています。

マーケティングは「誰に」「どんな価値を」「どう伝えるか」。
マネジメントは「誰が」「どんなチームで」「どう動くか」。

この両輪が回らないと、ビジネスは成功しません。プロジェクトや事業がうまくいかないときは、マーケティングかマネジメント、どちらかに原因があるはず。

TABIPPOのビジネスを「マーケティング」と「マネジメント」に分類してみると、この図のようになります。持続可能性やビジョン、コミュニティ、ストーリーなど、2つが重なる部分もありますね。


TABIPPOの「マーケティング」プロデュースの仕事

TABIPPOの事業はtoCとtoBの両面を持っています。ここではtoB、つまり「企業クライアント」のマーケティングプロデュース事例を紹介しましょう。

たとえば、香川県・琴平町と一緒に取り組んだこと。琴平は、金刀比羅宮という有名な神社があるまちです。多いときには年間200万人~300万人もの観光客が訪れますが、そのうちの9割以上が琴平に宿泊せずに帰ってしまうことと、若者の観光客が増えにくいことが課題でした。

そこでTABIPPOにご相談いただき、「琴平町がどんなふうになったらいいか」を地域の方々に提案して、以下のような施策を提案・実行しました。

・モニターツアーの実施
・記事制作/イベント展開
・特設サイト制作
・コミュニティ運営

結果は大成功。多くの若者を琴平町に送客できました。

TABIPPOの強みは、国内外問わず、コンセプト策定から販売促進・プロモーションまでトータルプロデュースできること。これからも「あたらしい旅の専門会社」として、次世代を担うニューノーマルトラベラーたちと共創し、コミュニティとマーケティングの力で観光地をプロデュースしていきます。

マーケティングの「守」「破」「離」

何かを習得するときの段階を表す、守破離という言葉がありますよね。まずは型を身につけて、少しずつオリジナリティを出していくことをいいます。

僕はマーケティングにも守破離があると思っています。それぞれについて解説します。

●守破離の「守」:マーケティングフレームワークの活用

マーケティングにおける守破離の「守」は、間違いなくフレームワークの活用でしょう。たくさんのフレームワークがありますが、まずは「PEST」「クロスSWOT」「STP」「4P」の4つを覚えておくと便利です。

マーケティングでは、知識を入れるだけではなくて、実践してみるのが大事。恋愛やSNS・ブログのフォロワー獲得など、自分の悩みをSTP分析することから始めてみましょう!

●守破離の「破」:分析だけではみえない「本質価値」への仮説づくり

仮説を導き出すのは、決して簡単ではありません。フレームワークで状況の整理はできても、そこから本質的な価値を生み出すのがけっこう難しい。

マーケティングは「誰に」「どんな価値を」「どう伝えるか」だと話しましたが、この中で一番難しいのが「どんな価値を」です。この要素を洗い出すために「USP分析」「価値提供ピラミッド」「価値の方程式」の3つを覚えてください。


USP分析は、対象独自の「売り・強み」を見つけ、ひと言で伝える手法。「お、ねだん以上。ニトリ」や「100人乗っても大丈夫」が有名ですよね。

価値提供ピラミッドは、対象の価値を「入口価値」「熱狂価値」「本質価値」の3つに分類して整理するもの。価値にはいろいろな深さがあるけれど、この3つに分類してみると、「本質価値ばかりに目を向けていた」「入口価値ばかり議論していた」などと気づくかもしれません。

この図は長野県の乗鞍というまちを分析したものです。

「価値の方程式(価値=希少性×便宜性)」は、ポジショニングを考える上で絶対に覚えておいてほしい考え方。いくら希少な価値をもっていても、それが世の中に求められていなければ意味がないですよね。この考え方は就職面接やキャリアデザインにも役立つはずです。

●守破離の「離」:さらにストーリーを語り、マネジメントと統合する

かつて観光地をブランディングするにあたっては、「土地の魅力を観光客に紹介する」という一方通行の関係性が一般的でした。一方、金ねんは土地の物語をみんなで語ることが大事になってきています。これは、商品やサービスを売るときにも使える考え方ですね。

物語をつくるときに使えるのが「過去・歴史」「現在」「未来・ビジョン」のフレームワーク。これらの要素を統合してストーリーにし、マーケティングに活用します。

マーケティングにおいて大切にしてほしい3つのこと

最後に、マーケティング活動で大切にしてほしいことを3つ紹介したいと思います。

1つ目は、マーケティングは「人」を相手にするものだということ。無機質ではない、手ざわりのあるものを扱っているので、コミュニケーションやエンゲージメントに目を向ける必要があります。

2つ目は、多様な人の価値観と行動に寄り添うことこそ、マーケティングの醍醐味であるということ。時代の移り変わりや人の心の多様化に、常に敏感でいましょう。

そういった意味で、旅人はマーケターに向いていると思います。いろんな土地に行っていろんな経験をし、いろんな人と話したことが、マーケティング活動に必ず役立ちます。

3つ目は、リアルな体験をすること。やったことのないことに挑戦しましょう。なんでも触ってみましょう。人と会話をしましょう。そうした経験がすべてマーケティングにつながるはずです。

しみなおさん、ありがとうございました!
身近な例を出しながらお話ししてくださり、マーケティング知識がない方も楽しく学べたのではと思います。POOLO生に期待することとして挙げられていた「卒業までに、やりたいことをどんどんやってみる」「ニューノーマルトラベラーに求められるものを考えてみる」、ぜひ取り組んでみてくださいね!


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