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世界一周307日

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2011年3月10日。ひとりの旅行作家が全く新しいシステムによる世界一周の旅をスタートさせた。巡る先はアジア、ヨーロッパ、アフリカ、北米、南米、オセアニアの世界6大陸。『SUGO…
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2021年1月の記事一覧

note98: ケアンズ(2012.1.4)

【連載小説 98/100】 現在のシドニー近郊であるボタニー湾に初上陸したジェームズ・クック率いるエンデバー号は海岸線を測量しながらオーストラリア大陸を北上したが、1770年6月11日に船が珊瑚礁の浅瀬に乗り上げてしまい長期の修理期間と航海の遅れを余儀なくされる。 そして、クック一行が座礁した場所こそが、あまりにも有名な世界最大の珊瑚礁地帯にして世界遺産「グレートバリアリーフ」なのである。 航海にとって座礁は致命的な事態である。 クックのように“未知なる”大陸を探検した

note99: ケアンズ(2012.1.8)

【連載小説 99/100】 異国を旅していて、ご機嫌になるとつい口笛で吹いてしまう曲がある。 「Around The World」 ヴィクター・ヤングが作曲したワルツの名曲で映画『八十日間世界一周』の主題歌だ。 『海底二万里』や『月世界へ行く』で有名なジュール・ヴェルヌが1872年に発表した同名小説を映画化した作品は、「80日間で世界一周ができる」と豪語した英国の資産家フォッグ卿が2万ポンドを賭けて執事とふたりで挑戦する波瀾万丈の冒険物語。 ジュール・ヴェルヌはこの年

note100: 東京(2012.1.10)

【連載小説 100/100】 20:00に成田に到着した。 出迎えてくれたれたのはPASSPOT社の社長をはじめとする幹部3人。 そう、ちょうど1年前に初めて会い、僕を今回の「SUGO6」という世界一周旅行へ誘ってくれた面々である。 空港内のレストランで軽く食事をしながら打ち合わせをした後、都内に車で移動し、明日改めて行うビジネスミーティングの時間を確認して先ほどホテルにチェックインした。 長期の旅から日本に戻るなりの会議は慌ただしいと思われるかもしれないが、今回の旅