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上野駅 令和三年

かつて東北、上越方面と東京を結ぶ列車は殆ど全てが上野駅を始発着としていた。

1982年の東北上越新幹線の開業以前は特に、ひっきりなしに特急や急行が、そして早朝と夜にはブルートレインが発着して賑わっていた。今も地上ホームには岩手県出身の石川啄木の詠んだ碑があり、当時の光景を今に伝えている。

関西在住だった僕が鉄道の写真を撮るようになったのは国鉄の最後の時期。小学校の高学年だった。そして初めて上野駅を訪れたのはJR発足直後で、既にかつての特急、急行列車の多くが姿を消していたが、それでもまだ多くの列車が残り、十分な活気があり往年の賑わいを当時も感じることができた。

しかしながら相次いで新幹線開業していくにつれて、長距離輸送としての在来線の役割は失われていき、特急、急行列車は相次いで姿を消すことになった。

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在来線特急時代の「つばさ」
1992年まで上野〜秋田間を約8時間半かけて走行していた。


そして2015年には上野東京ラインの開通に伴い、上野駅を始発着とする列車は激減。2021年3月のダイヤ改正後は更にその数を減らし、日中は数えるほどしか無くなってしまった。

昭和、平成、令和と時代の移り変わりの中で、ポツンと取り残されてしまった上野駅地上ホーム。今も昔と大きく変わることなくひっそりとその姿を留めている。

時折近くに寄った時は地上ホームに足を運び、昔の光景に想いを馳せている。


2020年の秋に訪れて記録した際の動画はこちら


Tabinova:ダイスケ


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