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大地再生農業

第2回稲の多年草化栽培全国大会に参加しました。
なごみ農の小川誠氏を中心にした集まりです。

稲の多年草化栽培というのは、通常より長く刈り取った後、水田に水を流しておくと稲は刈り取り後の茎の地上部位から根に酸素を取り込んでしっかりと次の準備をして、春になると新しい芽を出して稲が育つ農法です。
小川さんは4年間の多年草化栽培を成功させています。
他に、全国で取り組まれている方々からお話しがありました。

講演の前に観た映画も素敵でした。

なぜ多年草化栽培をしたいかというと、いい土を作るためです。
野菜であれば不耕起栽培(耕さない農業)がいい土を作ります。
私は成田で稲の多年草化栽培に、春日部で協生農法に関わっています。

土が悪くなると保水力が減り乾燥して生き物に適さないものになります。
そのための6つの原則はどこでも同じです。
第1の原則は「土をかき乱さない」です。放っておけば土の中で微生物をはじめとした生物が良い環境をつくってくれます。耕すと土壌の構造が崩れます。化学肥料や除草剤、農薬、殺菌剤なども、土壌の生態系に悪影響を及ぼします。

第2は「土を覆う」。自然界で土がむき出しになっている状態は普通ではありません。畑を植物で覆うことで、土は風や水による流失から守られます。被覆する植物は土壌生物の栄養になり、水分の蒸発や雑草の発芽も抑えられます。

第3の原則「多様性を高める」。自然の中で単一の品種が生えているところがあるでしょうか。
数十種類の穀物や野菜、草花が育ち、花粉を運ぶ虫や鳥、ミミズを始め土壌生物も極めて多様であれば、お互いに良い作用をもたらします。

第4は「生きた根を保つ」。生きた根は土壌生物にエサとなる炭素を供給し、土壌生物は土を豊かにします。
多年草化した麦の根は大人の背丈以上になります。

第5は「動物を組み込む」。牛が踏んだ牧草はより強く育ちます。鶏の糞は栄養になります。

第6は「背景」。気候や環境、経済状態などは人によって違います。風土に合った作物、農法を選び育てることが大切です。

(この記事のトップ画像は藤原新也さんの写真の一部です)


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