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はじめての哲学的思考

はじめての哲学的思考  苫野一徳  2017年

哲学的思考の“奥義”が書かれた本です。
哲学とは何か:さまざまな物事の“本質”をとらえる営み
・今暮らしてる民主主義社会は二百数十年ほど前の、ジャン=ジャック・ルソーやG・W・F・ヘーゲルといった哲学者が見出した「よい社会」の“本質”にある。「自由の相互承認」を基本としている。
・宗教は“神話”で答えを出す。人間の精神的な営みのすべてが詰まっている。神話や儀礼などを共有することで、集団を強固に結び合わせるという意義がある。信仰を持つ人びとに絶大な生きる意味を与える。
・哲学は“たしかめ可能性”を追う。
・科学が明らかにするのは「事実の世界」のメカニズム。
・哲学のテーマは“真”“善”“美”をはじめとする人間的な「意味の世界」の本質。

哲学的思考法
・一般化のワナに注意:自分の経験を過度に一般化してしまう
・強い“信念”に注意:本質観取の目が曇らされてしまう
・問いの立て方に注意:“ニセ問題”を意味のある問いへと立て直す
・「共通了解志向型対話」を目指す
・フッサール現象学はわたしに立ち現われた“意識作用”自体は否定できないとするもの

欲望相関性の原理
・僕らは世界を、僕たちの“欲望”や“関心”に応じて認識している
・僕たちの信念は実は欲望の別名だ
・対立する意見の底にあるお互いに納得できる「共通関心」を探る

生きづらさを乗り越える
・欲望を知ることで、自分と折り合う
・欲望を変える
・欲望を見つける

条件解明の思考
・どのような条件を整えたなら、人は困っている人に手をさしのべようと思うのだろう

哲学対話をはじめよう  価値観・感受性の交換対話
自分自身をより深く知る
“他者了解”もまた深まる
“共通了解”を見出し合う


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