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愛しき人類

10代の頃から人と自然の関係は、これでいいのだろうかと思っていました。

Ⅰ.生物としての人の誕生
46億年と言われる地球の歴史、生命の繋がりは38億年続いています。生命は単細胞生物から始まって、それぞれの環境に合った形に多様化していきました。
海の中で誕生した生命が最初に陸に上がったのは5億年前。土はなく、陸地は岩石だけでした。海の中の生物である藻類が陸でコケとなり、岩石の中の無機物と光合成によっていのちを育て、長い年月をかけて土ができました。植物が根を張ることができるようになり、ヤスデのような多足類が海から陸に上がったと考えられています。
最初の生物である単細胞の細菌たちは土の中、水の中、生き物の腸の中など様々なところで今も生き続けています。
地球上では陸地のプレートが動き続けており、大きなサイクルでの気候変動が起きます。
地球の歴史の中で、現生人類の存在はほんのわずかの期間です。ホモ・サピエンスは20万年前から10万年前にかけておもにアフリカで現生人類へ進化したのち、6万年前にアフリカを離れて長い歳月を経て世界各地へ広がり、先住のネアンデルタール人やホモ・エレクトスなどの初期人類集団との交流があったと考えられています。

Ⅱ.人類の特徴
人は他の動物よりも両手を自由に使うことが出来て、前頭連合野が発達しています。
①    脳幹(視床下部)『爬虫類脳=反射脳』/本能
②    大脳辺縁系(扁桃体)『動物脳=情動脳』/感情
③    大脳新皮質(前頭連合野)『人間脳=理性脳』/理性&知性
他の動物の中で、ゾウやイルカは知能が高いと考えられています。このあたりはさらに研究が進むことでしょう。
人類の特徴は創造性が高く、自然には無いものを生み出す能力が高い。
また、人は人に対して関心が高く、仲間との距離感が近い特徴があると考えられます。

Ⅲ.人類が成してきたこと
温暖な気候で河川が流れる地域において定住生活を始めた人類は、農業の発展によって食糧生産を安定させたことで爆発的に人口を増やしました。その結果、都市や国家が形成されていき、四大文明が誕生することになりました。
・中国文明(紀元前14000年から紀元前12000年頃)
・インダス文明(紀元前7000年頃)
・メソポタミア文明(紀元前5500年頃)
・エジプト文明(紀元前5000年頃)

科学の在り方は形を変え続けています。
古代(5世紀まで):哲学の時代
中世(5世紀~14世紀):宗教の時代
宗教改革期(14世紀~16世紀):教会の腐敗への批判からプロテスタントが生まれる。
魔女狩り(15~17世紀):自然の力と精通している者を魔女として恐れた。
近代(17世紀以降):科学の時代で「自然科学」から「社会科学」へ。

Ⅳ.人間関係
人は人の集まりで協働し、文明を築いてきました。協働する時に組織が生まれます。
血縁関係、地縁関係、身分制の王国が生まれ、権力者を頂点に、ピラミッド型の社会となりました。
大脳新皮質(前頭連合野)『人間脳=理性脳』が司る理性&知性は成長を続けています。

国連が「世界人権宣言」を「すべての人民にとって達成すべき共通の基準」として採択したのは1948年の12月10日です。
人権宣言の第1条と2条は「すべての人間は、生まれながらにして尊厳と権利とについて平等である」と述べ、「人種、皮膚の色、性、言語、宗教、政治その他の意見、国民的もしくは社会的出身、財産、門地その他の地位によるいかなる差別を受けることなく」世界人権宣言に掲げるすべての権利と自由とを享受できると規定しています。

現代のような産業化社会においては、代表的組織である企業の社会における重要性が増しています。人々の生活そのものや収入も大きく企業に依存し、その重要性が大きくなってきました。企業との関わりなく、生活を送ることは難しくなってきました。
科学の専門化が進み、科学の進歩と共に経済と切り離せなくなっています。

Ⅴ.2024年現在の状況
成長を続けている人類の理性&知性は多くの問いに直面しています。
「人と自然の関係は、これでいいのだろうか」
「人が幸せになる経済の在り方はどのようなものだろう」
「人が幸せになる組織の在り方はどのようなものだろう」

現在の日本ではおおむね、やりたいことができるような社会です。しかし、その生活基盤は自然や他の国、弱い立場の人からの収奪で成り立っている部分があります。
労働力、食糧、エネルギー、原材料に対して、適正な対価を支払うにはどのような仕組みが有ればいいでしょうか。

『地域共生社会』とは:厚生労働省ホームページより
「制度・分野ごとの『縦割り』や「支え手」「受け手」という関係を超えて、地域住民や地域の多様な主体が『我が事』として参画し、人と人、人と資源が世代や分野を超えて『丸ごと』つながることで、住民一人ひとりの暮らしと生きがい、地域をともに創っていく社会」

実際にどのように考え、行動すれば良いかという指針は、ひとりひとりの心の中にあると言えます。人がもう一度、人と人との関係性、人と他の生き物を含む自然との関係性を捉え直して、奪わない私達になるためにはどうしたらいいかを学び続けています。

Ⅵ.実践している活動
1.洞爺佐々木ファームの応援
13年間自然農法で野菜を育てている洞爺佐々木ファームから2015年より野菜を定期購入して応援しています。2023年3月から神田の楽々テラスでこちらのお野菜を多く使った大地のランチを提供しています。楽々テラスではeumoが使えます。

2.Ecological Memes(エコロジカルミーム)
人と自然の関係性を問い直し、これからの時代の人間観やビジネスの在り方、社会実装の方法論を探索しつつ学びフィールドワークで実践しています。

1)千葉の山武市で日向の森の再生
植林された森が荒れているのを気づいた人たちが自主的に手入れしている森で、その整美に時々参加しています。
植林されているので、樹の高さが均一だったり、杉林が2019年の台風で倒れていたり、生態系として弱い部分がたくさんあります。高木低木が混ざっていると雨が直接土に当たらず、何段階か葉っぱに当たっているうちに細かい粒になって土に降り注ぎます。土へのストレスが減るのです。
例えばクモは食べ物によって巣を張る高さが異なります。蝶や蛾を食べるジョロウグモはヒトの顔の高さくらいに巣を張ります。多様であることが生態系をやさしく健康なものにしています。

2)かすかべ農園
協生農法を目指している場です。協生農法は混生密生の植え方で植物の生きる力によって作物ができ、種も取ることができます。実験的な栽培方法です。
農業や林業、養鶏のやり方は、昔から人が改善を重ねて今の形になっています。しかし効率だけを重視した農業や酪農業などはどこかに犠牲を生んでいます。

3.ハコニワ・ファームの応援
幸せな鶏を育てて卵を販売しているハコニワ・ファームの卵を定期購入しています。精神障害、知的障害などのある方が働いています。平飼いで時間をかけて鶏に接していると鶏も人に慣れていきます。

Ⅶ.これから
人類の特徴は創造性が高く、自然には無いものを生み出す能力が高い。
また、人は人に対して関心が高く、仲間との距離感が近い特徴があると考えられます。
人類は今までに多くの快適な生活の仕組み、そしてお金や戦争を生み出しました。
目標に向かって突き進む時期が終わりを迎え、より創造性を発揮して社会を創る時期になったと思います。

「多様化の社会は人類史上初めて」と考えられます。多様性を認めるというのは、比べないということだと思います。
考え方が多様性を認めるように変わってきている人が増えてきたから、不登校やひきこもりが増えているのかもしれないと思います。
人と比べることなく、お互いの個性を活かして調和が生まれるようなシステム、進化型組織を学び実践していきたいです。


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