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ヒューマノクラシー1

『ヒューマノクラシー』 ゲイリー・ハメル、ミケーレ・ザニーニ 2023.12

『ヒューマノクラシー』について2つの個性的な読書会に参加しました。
1つ目はzoomで行われたもので、本を読んでなくてもいいと言われていて、テーマが10章の「コミュニティ」だったので参加しました。
そうしたら「家族のような、という言葉を温かみのある場の代名詞のように書かれているのは違うと思う」とか「安全安心というのは必ずしも共感的な場を指すのではなく、違った本音で話せる場のことだと気づいた」など複数の人で話した結果ならではの言葉が出て面白かった。自分は本を読むときに共感できる部分を拾っていることにも気づきました。

読んでみたくなって、早速、図書館で借りてきました。
ちょうど以前から予約してあった別の読書会があり、この本を持っていきました。この読書会はリアルで集まりそれぞれの本を20分読んでから、4人程度に分かれて各自の本についての思いをシェアして、メンバー変えてもう一度シェアという会でした。扉の写真は、参加者が今回持ち寄った本です。

私は3章まで読み内容を簡単に話しました。
組織が個人を使って成果を出すのが官僚主義で、ヒューマノクラシーは個人が組織を使ってインパクトを出す。官僚主義は「人間=道具」、ヒューマノクラシーでは「組織=道具」。
実際、多数の組織に足を運び、時間をかけて観察されています。

そして、第4章は鉄鋼メーカー<ニューコア>「製品ではなく、人をつくる」、第5章は中国の家電メーカー<ハイアール>「誰もが起業家」。

第5章より一部を抜粋します。
「変革には痛みを伴う部分もあった。人単合一への移行のなかで、1万人以上の中間レベルのマネージャーが配置換えとなったり解雇されたりした。しかし同時に、ハイアールは何千人ものMEの新リーダーに権限を移譲し、急速に拡大するエコシステムのなかに、数万人分の新たな仕事をつくった。
張(チャン)が同僚たちによく言うのは、複雑な仕組みをトップダウンでつくるのは不可能で、それは実験と学びを繰り返す中から現れてくるものでなければならない、ということだ。どうすれば変革を加速できるかと問われて、張(チャン)はシンプルにこう答えた。
「何度も試してみて、最も成功したものをより早く複製していくことです」
耐久力とまとまりがある組織に進化していくには、こうした試行は深い思想に導かれる必要があると張(チャン)は考えている。3000年程前に書かれた中国の古典『易経』(えききょう)が、道しるべの1つになるとして、張(チャン)は次のように話す。
『易経』では、人間の活動を最も高いレベルにするには、「リーダーのいない竜の大群」のようになりなさい、と言っている。中国の文化では、竜は最も強い動物です。いまでは、すべてのマイクロエンタープライズが、それぞれに竜のようになっていて、非常に能力が高く、また競争力も強くなっています。しかし、その竜たちにリーダーはいません。リーダーの導きなしに、市場で事業を始めたのです。これこそが最高レベルの人間の組織ではないでしょうか。
張(チャン)のもう1つの道しるべは、19世紀のドイツの哲学者、イマヌエル・カントだ。カントの「定言的命令」は、人間を決して道具のように見なしてはならないと示している。かなり以前に筆者らがインタビューしたとき、張(チャン)はハイアールの将来像を描きながら、この信念を繰り返した。
「私たちは従業員に、起業家になるよう勧めたいと思っています。なぜなら、人は目的のための手段ではなく、彼ら自身が目的だからです。私たちが目指すのは、従業員全員が自分自身のCEOになることです」
人間の尊厳や行動を優先させるという組織哲学を持つCEOには、あまり出会うことはないかもしれない。しかし、ヒューマノクラシーを築きたいなら、これ以外の見方をすることはできない。」

参考:ハイアールのサイトより

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