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なめらかな社会とその敵 鈴木健 2012.9 (2022.10文庫化)

複雑な社会を複雑なまま受け入れることは、あまりにも難しい。
例えばある製品に問題があった場合、その責任は誰に、どこにあるのか。

いのちは細胞が基となっていて、細胞は膜によって内と外を分けている。
細胞膜の内側はひとつのシステムとして自律性をもつ。
また、膜は不必要な化学物質が膜の内側に入らないように排除する役割をもつ。
生命史を概観すると、内部と外部を分離する【膜】と、小自由度で大自由度を制御する【核】が繰り返し登場していることがわかる。
こうした膜と核を生み出すのは背景にある複雑な反応ネットワークであり。この複雑な反応ネットワークを【網】と呼ぼう。

インターネットがもつオープンな特性は、資源の囲い込みを嫌い、あらゆるものをシェアしていこうとする。だが現実社会はまだまだ資源の囲い込みに満ちあふれている。

細胞を例として社会を見立てた最初の章は私にとってはわかりやすかった。その後に続くさまざまな仕組みの話しは難しかった。著者は300年先の社会を描いているので。

そして成田悠輔氏との対談を新宿紀伊國屋ホールに聴きに行きました。ホールは満員御礼でした。
成田氏の言葉「今の社会と理想の社会があるとするとそれが既に分断している」。なめらかというのは理想と現実が混ざっている。

どのような社会がいいかという遠くのことを考えながら、日々出来ることを大切に行っていきたいです。

今のところは対話の時間を大切にしています。それぞれの体験から生まれるその人に固有の価値観に自分で気づく。
自分自身と出会うことがなめらかな社会に続いていくかもしれないですね。
複雑さを複雑なまま受け入れることができるような。

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