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離島の釣りをなめちゃダメだよ!-神津島で浴びた洗礼-

『ムロを釣って泳がせればカンパチが食うが君にはムロは釣れないよ。市販のサビキでしょ?』

先日の神津島釣行の際、神津島港で最初に話し掛けた釣り人が私に言った台詞がこれだ。

あまり性格の良い人物の発言ではないと思うが私は気にも留めずすぐにムロアジを釣ってそのおじさんの側で泳がせ始めた。

私は伊豆諸島の人達が自作したサビキ、それを真似て自作したサビキ、市販品各種を持ち込んでいたが、今回の神津島釣行では全て市販品を使用している。

つまり地元の釣り師の意見が正しいとも限らない。

クサヤモロ

泳がせ釣りは餌となる魚を釣り“釣る前と同じくらい元気に泳がせる事”が非常に重要なので餌釣りの技術と経験が大切となる。神津島の場合ベストな餌はムロアジになるのでそれを釣らなければ泳がせ釣りは始まらない。

『君にムロは釣れないよ』と言われても島の人達が釣れているのであれば絶対に釣れる自信はあったし今回の滞在中に確保したムロアジは島の釣り師以上だ。

初心者の釣りと思われがちなサビキにどれだけこだわってきたか分からず、遠征先(アウェイ/慣れない釣り場)に行っても現地の人が釣ってさえいれば必ずその魚を釣ってきた。私を侮るなかれ。

でもおじさんがそんな風に言う理由も何となく分かる。内地からやってくる釣り人は離島に来れば魚が釣れると勘違いしている人も多い。船の場合は素人でも高確率で釣らせてもらえるがショアに関しては非常に厳しい現実を突きつけられる事がほとんどだ。

離島遠征のために大変な投資をしたのに中途半端なアカハタだけに終わったなんて人はあまたいるだろう。

アカハタ

泳がせ釣りに関して言えば餌のムロアジを釣る技術と元気に生かす知識と工夫が大切になるがそれを知らない内地のアングラーはなかなか泳がせ釣りも成立しない。そんな人達を地元の人は沢山見てきているから我々に手厳しいのだ。

「離島の釣りをなめちゃいけないよ」つまりはそう言いたいのだ。そして私が言いたいのは「私は離島の釣りをなめていないよ」という事。

ムロアジの扱いがどれほど難しいか。アジやサバの比ではない。八丈島では空港職員に『自作の生簀を持ち込んでいる観光客を初めて見ました!』と驚かれたが元気にムロを泳がせるためならそこまでするものだ。

3号磯竿でスズメダイを泳がせカンパチを狙っている観光客を見掛けた事があるが仮にメータークラスのカンパチやそれ以上のキハダが食ったらどうするつもりなのだろうか。

私もそうだが経験不足は知識で補うしかないので大型の魚がかかっても闘えるタックルを用意すべきだ。さもなくば「身の丈(タックススペック)に合った小さな魚が食い付きますように...」と願う消極的な釣りになってしまう。

それは離島遠征に行く意味があるだろうか?(勿論ここは人それぞれの考え方があるが)

島の人は朝イチだけで4匹とか!

無事、ムロアジをカンパチに変え我々の神津島釣行は終了した。そして最初に『君にはムロは釣れないよ。市販のサビキでしょ?』と嫌味な事を言ったおじさんとも最後は談笑するようになっていた。







ネットラヂオ『旅の鳴る木』第117回放送「神津島釣り旅 釣果発表!」で今回の神津島釣り旅について詳しく話しています。

🔍「旅の鳴る木」

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