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泳がせ釣りで釣果をあげるためには... 私の泳がせ歴史全公開

泳がせ釣りは「海の食物連鎖にいかに自然に針を潜ませるか」が重要で針も何も付いていない自然の魚を装う必要がある。大魚が針に気付かないどころか捕食される餌の魚も自分に針が付いている事を忘れるくらい自由に泳がせるのが理想だ。

ただ理想と現実は違ってうまくいかない事もあるし水中での出来事は想像するばかりで実際に見る事は叶わない。

泳がせ釣りを始めた最初の頃よく釣れたのがアカエイやダイナンウミヘビだ。これらは主に海底にある餌を捕食しその生死を問わない傾向を感じる。

つまり海底で泳がせていた時や他の層で泳がせていたが死んで着底した時に釣れるので、本当の意味での泳がせ釣りではない。(※普通の餌釣りに近い)

タモの直径が45cmなので2m以上
ダイナンウミヘビ、アカエイ共に小坪漁港にて

泳がせ釣り初期の頃はこればかりが釣れたが引きは強烈なので楽しい。両方共食べてみたがダイナンウミヘビは骨だらけだし、アカエイも鉄臭さを抜くのに大変苦労した。

まともな魚が釣れたのは2020年5月で、静岡県の由比漁港で小鯖を泳がせて55cmのヒラスズキを釣った。

ヒラスズキからとった出汁は美味しい!

海底で小鯖を泳がせヒラメを釣る予定だったが意外なものが釣れた。その当時、私はヒラスズキなるものを知らず友人に教えてもらったのをよく覚えている。

この成功体験に気を良くし私は色々な地域の海で泳がせ釣りを試みるが福井県の敦賀新港で初めてエレベーター仕掛けにも挑戦した。

最初に錘だけ投げてそのラインにサルカンを通し餌の魚を泳がせる釣法だ。キャストしないので魚を弱らせないのが長所、棚のコントロールが難しいのが短所だ。

アジを表層で泳がせるとすぐにダツに食われた
エレベーターでアオリイカは奇跡に近い…!
サゴシは敦賀新港名物

アジがヘチに張り付いて食いが悪い時はフィッシュイーターに怯えている可能性があり、アジを何とか釣って沖に投げると捕食されやすい。ただ表層はダツだらけだったりするのでそのゾーンを外すのが難しい。

敦賀新港では泳がせをしつつカゴを投げたりと忙しい釣りだったが、尺アジ、マサバ、サゴシ、アオリイカ、真鯛と豊富に釣れた。

糸島はマトウダイが漁港内で釣れる
糸島では必ずヒラメが釣れる

2020年12月、私はまた福岡県の糸島でアジを泳がせていた。N漁港は24時間体制でアジが入れ食いでベイトが濃い分、フィッシュイーターも熱い!ショアからマトウダイが釣れる珍しい場所で二度目の糸島釣行で初めてマトウダイを釣った。

ある釣りサイトに公開したら「嘘つけ!ショアから釣れない魚だぞ!」と高圧的なコメントがついたが釣れるのだから仕方がない。海底でアジを泳がせてマトウダイもヒラメも釣れた。

由比漁港でワニゴチ
コスジイシモチの泳がせでクエ

2021年秋、再び由比漁港で小魚を泳がせヒラメを狙ったがアカエイばかりでなかなかうまくいかない。仕方なくヘチの海底に仕掛けてワニゴチを釣ったりクエやオオモンハタを狙った。

クエは正直言って生き餌でなくてもいい感じがした。生きたコスジイシモチに食い付いたが真っ二つにして針掛りはしなかった。もう餌がなかったのでそのままもう一度仕掛けたら食ったという訳だから死に餌でも大丈夫という事だろう。

51cmのマエソは蒲鉾に
ダツの背骨は青い

翌月、沼津、敦賀、周防大島、糸島、柳井という釣りツアーを行うが、沼津ではソウダガツオのみ、敦賀新港はダツとエソに終わった。青物の記録を更新したかった私は同級生の旦那さんを頼って山口県の柳井市へ。

そこでぶっ込み仕掛けでのブリ釣りを覚える。ブリは前当たりがあり数秒後に本当たりが来て一気に走るのでぶっ込み仕掛けはそれを把握しやすい。何度もキャストし直すと魚が弱るので餌が豊富でないと厳しいがそこをクリアできればブリ釣りには一番適している泳がせのスタイルだ。

エレベーターは前当たりが取れないのでとことん走ってからでないと反応しない。釣り場や餌の数、釣り人の数によっても釣法は変えた方がいい。

柳井で釣った88cmのブリ

ブリも色々で柳井のブリはぱんぱんではち切れそうな身体をしている。この前に78cmのワラサが釣れているがそれは青物らしくよく走った。しかしこの個体はそれほど走らずずっしりと重かった。よく肥えたブリは走らないのだ。

内臓も脂が乗っているので海に落としても沈まずその内に鳥についばまれる。この良型のブリは東京湾のショアでは釣れないのだ。

川崎市の東扇島西公園で釣ったワラサ
同じく西公園で釣ったブリ

東扇島西公園は年末になるとワラサやブリ釣りで盛り上がるので私も2021年冬に参加してみたが1釣行目、2釣行目でそれぞれワラサ、3釣行目でブリが釣れた。

柳井で釣ったブリとほぼ同じ長さだが全く重さが違い東京湾の陸っぱりブリは痩せている。ワラサもブリもよく走り引きに大差はない。

米神漁港で釣った1.38kgのアオリイカ

同年冬にはアオリイカデビューもしてみた。以前敦賀新港で偶然アオリイカを釣った事はあるが今回はしっかり狙って。アジの泳がせだが最初の釣行で500gが釣れその後10杯くらい釣れた。釣り場に指導してくれる人がいてその人のお陰だ。

年が明けた2022年は八丈島でキハダマグロを釣るという目標をかかげ色々と道具を揃えた。初めての八丈島遠征は7月で残念ながら63cmのカンパチと80cmくらいのヘラヤガラで終わった。

ムロアジ1流し目で釣れてしまった…!(神湊)
八重根港でスズメダイの泳がせにて

キハダマグロはまた2023年春に狙うとして11月半ばから今年も山口県柳井市にブリ釣り遠征に行く。今年はブリがもし早めに釣れたら他の魚を狙った泳がせもしたいと思っている。

泳がせは偶然ではなく必然の釣り。海で行われている捕食の中に針を紛れ込ませれば狙った魚を釣る事ができる。勿論福袋的な要素もあるがただただ偶然が支配する釣りではない。

しかし餌を確保してなんぼの釣りなのでそもそも魚を釣る能力がないと話にならないしサビキなど基本の釣りの能力も問われる。八丈島で学んだがキハダマグロや大型のカンパチ、ヒラマサ、スマガツオが釣れる人はみんなサビキが上手い。

泳がせ釣りで結果を出す為にはそれ以外のいくつもの釣法に長け魚の生態や潮を理解していないといけない。あのシンプルな釣りの中には経験が集約されている。

餌釣りばかりしていればルアー釣りが上手くならない様にルアー釣りばかりしていると泳がせを含めた餌釣りも上手くならない。どちらも得意なら相乗効果はありそうなものだ。

最後に私の泳がせ釣り史上最も貴重な釣果をご紹介しよう。

初めて泳がせ釣りで釣った魚は72cmのヒラメ
泳がせ釣りで2匹目に釣った88cmのヒラメ
88cm/7.0kgが人生2匹目の泳がせ釣果

これは確実にビギナーズラックだが初めて泳がせ釣りをして二日連続で座布団ヒラメが釣れたのは泳がせ釣りにはまるには十分過ぎる出来事だった。どちらも福岡の糸島での釣果でマトウダイを釣った漁港だ。

まだ泳がせ釣り歴は3年にも満たないが小魚を釣りまくってきた経験がここで活きている。今年も青物最盛期に至りつつあるので来週からブリ釣り遠征を頑張るぞー!皆様も素敵な魚が釣れますように。





◾️ネットラヂオ『旅の鳴る木』

ラヂオ内で昨年のブリ釣り遠征について話しています。良かったら聴いてみて下さい。具体的な釣り場は地元の方にご迷惑となるのでお伝えできませんがそれ以外は何なりとお尋ね下さい。

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