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『いのちは時』

いのちは時
せせらぐ速水
雨竜川が聴こえたら
春の始まり
それは冬の終わりと
ちょっと違う
僕らが知るまで
あと少し
川辺が融けるまで
あと少し
曖昧なままでもいいよ

いのちは時
漂う香り
端の中央橋の北詰でも
微かにまつり
それが親父の
屋台車とわかって
何も運ばない道の
広さと較べる
何も興らない街の
背中と較べる
美しいから大丈夫

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