[カモメの広場]

カモメの広場は
この街の一等地
巴の港がよく見える
見えちゃいないのにね
世界は棚上げしておこう

カモメの広場に佇んで
モノクロだけが跋扈する
小さな無限大も語り尽くせないのに
無知の無知が最善手なのだ

曇が消し去る間隙に
何を考えていたかなんて
それは君の仕事さ 僕の仕業じゃない
流れ出てこようとも、ね

カモメの広場は
この街の一等地
なんにも心配はいらない
作務衣さえ着ればいい
さながらサヴィル・ロウだよね

僕から名前を奪わないでくれ
既存と流転の支配下で
僕が僕じゃなくなるなんておかしいかもね
自業自得ってやつかもね

カモメの広場に佇んで
僕だってアホウじゃない
他人ひと想いってホントは何だろなってこと
ひと思いも悪くないってこと

カモメの広場は
この街の一等地
近衛の兵隊たち
お豆の鉄砲たち
カラスが革命企んでら

実はカモメが大嫌いさ
礼儀がまるでないから
散々と寛いだって地面とサヨウナラ
桟橋の置き土産も、ね

カモメの広場は
この街の一等地

カモメの広場に佇んで
モノクロだけが跋扈する
大きな無限大を覗いちゃったら
無知の知は生き地獄

カモメの広場は
この街の一等地
巴の港の外を見よ
カモメは知っている
誰もが知らんぷり
カモメは知っている