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[象の歌]

いつも一人ぼっちの
朝の七時で
じりじり 灼熱の
寒々 サバンナで

一番近く 目の前のあなたと
不思議だね 同じ香りがした
行ったり来たりの 往復何キロ
言葉もいいけど 隣が欲しい

あなたをいつも香っていられないの
静かに見上げる 象の歌

依然一人ぼっちの
朝の七時で
ぴりぴり 胸を焦がして
到々 飛び越えて

一番大きな 象の体を
不思議だね あなたは包み込む
ちっとも変わらず 往復何キロ
それでもいいよ 隣にいるよ

一番小さな 象の心は
不思議だね 強くて弱いの
あなたは知ってて 往復何キロ
優しく歌う 隣みたいに

あなたをいつも香ってていいの
僅かに上擦る 象の歌

俄然一人ぼっちは
朝の七時に
ぴりぴり 胸を焦がして
軽々 飛び越えて

一番遠く 海の向こうあなたと
不思議だね 同じ時計を見る
ちっくたっくと 往復何キロ
世界を見下ろす 隣なんだね

微かに届いて 象の歌


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