[おとぎ話]
海は凍るのを耐える
我慢して、我慢して、我慢して
それが使命だから
無粋なアムールの使者を浮かべて
それでも気をしかりと持って
神の思し召しだから
蜂は羽を震わす
我慢して、我慢して、我慢して
それが習わしだから
樹上には巣穴がひとつ
世界には風穴をひとつ
神に抗うのだ
なんてね、もう
とんだおとぎ話
野暮は言わないでおいて
真実を信じさせて
雲は重力に逆らう
我慢して、我慢して、我慢して
それが美徳だから
心許ない秋の流浪でも
杞憂は杞憂で、とっておいて
神が微笑んでいる
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