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[鳩]

僕はきっと 木陰で涼んでた
鳩のことを忘れないよ
景色はまるで 砂粒ほどにも
縮んでしまうけど

地球がうんと 回転を速めた
顔をしかめていたね
季節が冬至 目指してゆくのを
君は知っていたのかな?

読んで字の如く
もう手元にはないけど
読んで字の如し
だから信じていいよ
いいよね?

クリームソーダは最後まで
吸い出せたかもしれないけれど
待ってるうちに 透明にもなって
不味くなってゆくよ

僕の街じゃ おっきな船が出て
イルカと遊びながら
向こう岸を 目指してゆくんだ
じきに戻ってくるよ

読んで時の如く
空っぽの桟橋
読んで字の如し
だから信じるしかないよ
ないんだよ

お日様が愛想尽かしても
遊んでいる悪い子もいいけれど
道なりに帰ろう 今はもう
気づいたこと 持って帰ろう

鳩はきっと 木陰で休んだまま
病気で死んでしまう
そんなの悲しいよね
不思議と悲しいものだよね

信じるしかないよ
僕は君だけのものだった
信じるしかないよ
君だったものは僕だけの

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