[酒場の鍵]
時々思い起こすこと
酒場の鍵は井戸の底
街が騒ぎ始める
酒場の鍵は井戸の底
助け得ぬことだろうか
五月雨に打たれて
土台無理なことだろうか
来たれ友よ
日々やがて過ぎゆくごと
酒場の鍵は川をゆく
街が壊れ始める
酒場の鍵は川をゆく
恥じることではないさ
五月雨に打たれて
避けることもよぎるかい
来たれ友よ
月々重なればほら
酒場の鍵は海の旅
街は
知られざる罪人の端くれよ
どうか悔やむことなかれ
五月雨の数も覚えぬ人よ
私だけが物言わぬ井戸端の花
年々思い起こすこと
酒場の鍵はシベリアの浜辺
来たれ友よ
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