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[木偶の棒と朝の雲]

例えば「明日が晴れたら死んじゃおう」みたいな
まるで気分屋 人質のような言葉を吐いてさ
結局 決められたように 止まり木にしがみつく
きっと多分ね 星占いの方がアテになる

相も変わらず 照れ笑いの君が好きな僕は
操り糸みたいに かたちばかりの身体を持てあます
うんと長くなった鼻筋を叩く勇気すら
出せずに人のことばかり毒づいている

こんな木偶の棒よりも
木霊に宿されて僕は
飛んでゆきたい
昨日と明日の狭間で浮かびたい
だって今朝のどんより雲
予感が邪魔をして僕は
声にならない
悲壮も確かな痺れも
恨めしい恐れってヤツも

一切合切が締め切りを迎えた昨日の僕は
空欄だらけ バカの一つも思いつけばよかったのかな
叩けば響くように 嘘から出たマコトのように
ついて出たなら 言葉が全てを変えちまうみたいに

こんな木偶の棒よりも
木霊に宿されて僕は
でも届かない
昨日と明日の狭間に溶けるだけ
少し流れていった雲
隙間の空いた青色は
守ってくれない
未曽有の天邪鬼も
心地よい恐れってヤツも

いっそ君が
街並みの下から
疑いようのない笑顔で
会いに来たなら
叶うはずない
まして君は木彫りじゃない
分かっているから羅針盤は
揺らぐばかり
でも確かに
北を指してる 知ってる

例えば「明日が晴れたら諦めよう」みたいな
それで晴れたら やっぱり君に恋をしたままさ
結局 決められたように 止まり木は僕の物
きっと多分ね 星に願えば 少しだけ身体が動く

こんな木偶の棒よりも
木霊に宿されて僕は
飛んでゆきたい
昨日と明日の狭間で浮かびたい
だって今朝のどんより雲
予感が邪魔をして僕は
声にならない
悲壮も確かな痺れも
恨めしい恐れってヤツも
背中を少しだけ押す
G線上の雲

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