[創世記]

物見の櫓やぐらにて
アンタは立っていて
見えなかったよ、と苦笑い

ガスに侵されたっけ
西も東もわからないっけ
後ろの正面 振り向きもせず

世界標準時９つ先で
俺もアンタも同じ櫓で
見透かされても何がわかるって
青信号に誰も気づかず
聡いアンタが取り残された

つまりは
アダムとイブだ
アンタと俺で
アダムとイブだ

漁いさりの都にて
俺を待っていて
今も昔の蛻もぬけの空回り

夏の日照りで皆騙されて
駆け込む内に つまり凍えてる
満たされたカフェラテグランデ
狭い世界の誰かと同じ
聡い差別化 独りよがり

つまりは
アダムとイブだ
俺とアンタで
アダムとイブだ
斜陽を浴びた
アダムとイブだ
しくじらない
アダムとイブは

俺とアンタが
気だるいままで
物見櫓は
煙たいままで
何をおいても
世界はあべこべ

つまりは
アダムとイブだ
アンタと俺で
アダムとイブだ

世界標準時９つ先で
俺を睨にらんでる同じ櫓で
見限られても何が変わるって
青信号に誰も気づかず
聡いアンタが踏み出した須臾しゅゆ

物見の櫓で
アンタが立っていて
誰も見てないのをいいことに

物見の櫓で
アンタを待っていて
満員御礼の好景気

つまりは
アダムとイブだ
アダムとイブは
アダムの夢だ
なおかつ
アダムとイブだ
俺とアンタで
アダムとイブだ