[大雨]

殴りつけるような雨は
おおよそ二時間の命
お前の命題 まさにさなか
ひとり伝う水と
人の声が消えた街
飾り気ない帳とばりと雫

死闘を隠せ−傘が外れる
世情を映せ−音はノイズショー
神殿不滅のサムネイルを
更地に返す唯一の御業みわざ

大雨だ
お前だけが知っている
大雨だ
途絶えた電波が告げる
奴らの疑問符ごと殴れ、殴れ
大雨は
海の底まで届くだろう
大雨と
縁えん遠き道を歩くに限るなら
誰がお前を慰めた？
濡れた体を抱きしめたんだ？

はぐらかすようで悪いが
その身を精々お大事に
粉こにするための身を
酷く理不尽なことだが
等しく与えられた命
唯一無二を賭けろと言っている

路上が浸された−ちゃちな嘆きだ
異常で満たされた−誰の記憶だ
寿命を踏み倒しなどせずとも
今朝のお前よ救われ給え

死闘を暴く−一筋が走る
世情に諮はかる−時のゆえん
以前大雨は恵みを孕はらんだが
機能挑発彗星スクレイパー

大雨だ
お前だけが知っている
大雨だ
歪んだ電波がなおも
欺瞞ぎまんの終末論を触れまわる
大雨は
海の底を叩くのに
大雨と
気づかない奴らとブロードキャスト
誰がお前を慰めた？
濡れた体を抱きしめたんだ？

依然大雨はお前を守り続ける
昨日今日といった渇きを忘れ

大雨だ
お前だけが救われる
大雨だ
途絶えた電波が告げる
奴らの疑問符ごと奪え、奪え
大雨は
海の底まで届いてんだろ
大雨と
縁遠き道を歩くに限るなら
誰がお前を慰めた？
濡れた体を抱きしめたってんだ？