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形と色のパーティー、オスカー・シュレンマー

オスカー・シュレンマーとは?

ドイツの画家・彫刻家、そしてバウハウスの教員メンバーの一人。

オスカー・シュレンマーの代表作として知られているのが、トリアディック・バレエと呼ばれる独特なコスチュームをまとうダンサーたちによるバレエ作品。この作品が評価され、20世紀前衛芸術の代表作家となりました。

まずは作品を観てみましょう。

トリアディック・バレエとは?

トリアディック(triadisch)とは、数字の3。

シュレンマーはこの数字を重要視し、ダンスの創作原理としてさまざまな三つ組を用いました。

色彩空間の一体。

三次元(高さ・奥行・幅)の一体。

立方体円錐の一体。

の一体

ダンス衣装音楽の一体など、12通りのダンスを18種類の衣装で踊るなど、全て数字の3にこだわっています。

また、作品は3部構成で、第1部は黄色い舞台におどけた道化芝居、第2部はばら色の荘厳で祝祭的な舞台、第3部は黒い空間の神秘的で幻想的な舞台という構成です。

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オスカーシュレンマーは、自身のトリアディック・バレエを「形と色のパーティー」と表現しました。

オスカー・シュレンマーの理論と時代背景

シュレンマーの作品の理論にあるものは「純粋な抽象化の拒絶」。

抽象化、機械化、数学に関連して探究していたシュレンマーにとって、人体は劇場の構成要素の一つでした。

人間の身体に変容を加えた衣装を着てマスクされたダンサーたちは、感情を排除され、人工的で幾何学的な人物として舞台に置かれているように見えました。

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20世紀は産業革命が始まった機械化の時代であり、その時代の流れを受けて表現された作品です。

余分なものが排除された舞台に置かれ、シンメトリックで機械的に動く人物はまるで建築やグラフィックデザインのようで引き込まれました。


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