イラスト制作の現場から、デザイナーがイラストを描く場合。
こんにちは、デザイナーの堀野美雪です。
今回は、養育里親支援啓発チラシ及びポスターのリ・デザインワークの中からイラスト制作の現場をお見せします。
グラフィックデザイナーとイラストレーターは別職種ですが、人によってグラフィックデザイナーがイラストを描く場合や、その逆もあったりします。
「これまでずっと同じデザインを使ってきたので、デザインからイラストまで時代に合わせてまるっと一新したい。」とのご依頼でイラストのご提案からデザイン制作まで、新しい世界観づくりのお手伝いさせていただきました。
「イラストは親しみやすく可愛いけど、シンプルに」というご希望のもと、まずは今回のイラスト制作に必要な条件を洗い出していきます。
一つ目は、今回チラシ・ポスターのみで終わらず、Webなどの他の媒体でも使用されること。
ということはその際、同じタッチの別カットが追加で必要になってくる可能性があるということ。今は必要なくても今後起こるかもしれない可能性を考えた設計が必要です。
二つ目は、大人から子どもまでの人物が登場するので、その年齢のグラデーションをわかりやすく表現すること。
三つ目は、喜怒哀楽の感情表現が必要になるので、表情のバリエーションを作る必要があること。
これらの必要条件を踏まえて、以下のように設計しました。
基本設計
イラストの配色は白、イエロー、ライトブルー、グレーの4色を選び、それぞれの色の役割を決めます。色数を絞ることでまとまり感を生み、企業のブランドイメージをより強固にします。
大人は約5頭身、子供はそれ以下と定義し、年齢差のグラデーションをつくりました。
喜怒哀楽など表情の変化や性別は、パーツの形や配置の微妙な変化でつけられるようにしました。
これらの基本設計をベースに、様々なカットを複数制作していきます。
設計に沿えば同じトンマナで様々なカットが無限に制作できます。
制作したイラストは、最終的にデザインと合わせて完成となります。
特に情報量の多い裏面ではイラストが紙面に「楽しさ」「わかりやすさ」を与える大きな役割を果たしてくれました。
振り返ってみると、今回のイラスト制作はロジック的で、デザイン制作と似た考え方で制作している気がします。
趣味で描くこともありますが、案件のように縛りがある方が個人的には面白くて好きかもしれません。
全て自分が描いたものですが、我ながら無個性でした…。だからこそ個性のあるイラストレーターさんには憧れます。
デザイナーがイラストを描ける必要はありません。
便利な点といえば、デザインとの調合しやすさ、提案から制作までの速さかなと。
以上、イラスト制作の現場でした。
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