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今回はロッシのウイリーについてちょっと書いてみましたよ。

「ウイリーが人気の秘訣」

オートバイレースの醍醐味のひとつにウイリーがある。サッカーでいえば、得点したあとのバク転。野球ならホームランを打った後のバク転・・・んんん・・・バク転に代わるものが思い浮かばないが、オートバイのレースでウイリーは、喜びを表現するパフォーマンスとしては一番である。

その証拠にレースで優勝した選手は、ほとんどと言っていいほど、ウイリーを決める。それだけではなく、一日中続くテスト走行のときも、ピットに戻るときにウイリーを決める。これは、「これでとりあえずピットに戻るよ」と気持ちをクールダウンさせる意味合いもあるが、コースサイドにいるカメラマンへのサービスでもある。

なぜなら、カメラマンにとっては、ウイリーのショットが撮れれば、今日はこの写真で決まりという気分にさせてくれるからだ。だから、ウイリーをするライダーは、カメラマンに人気がある。

その期待に応えてくれるのがこれまで9回タイトルを獲得したイタリアのバレンティーノ・ロッシである。今年41歳の大ベテラン。それでいて、いまだにトップライダーのひとりである。

この数年は、表彰台には立つが、なかなか勝てなくないレースが続いている。しかし、スタンドを埋め尽くすファンへのサービス、カメラマンサービスでは間違いなくナンバー1である。ロッシのウイリー写真は本当にたくさんあるし、その中から一枚を選べと言われたら、あまりにもありすぎてなかなか決められない。

実際、いまパソコンに保存されているロッシのウイリーを検索したら、何枚も出てきた。それくらいロッシのウイリーの写真はたくさんある。雨の日も風の日も天気の良い日も暑い日も一日中外にいるカメラマンにとって、このウイリー写真は、疲れを癒やしてくれるだけでなく、疲れを吹き飛ばしてくれる妙薬である。

ウイリーをうまく決めるには、フロントを持ち上げるタイミングとアクセル操作、それをキープするためのブレーキ操作など細かいテクニックが必要になるが、バク転と同じで練習あるのみ。慣れが重要になる。

いまのMotoGPマシンは1000ccで250馬力以上。ストレートの長いサーキットでは、最高速が350km/hに迫る。モンスターマシンなので簡単にフロントは浮く。上手な選手になると片足を離したり、いろんなウルトラC技を見せるが、これも練習あるのみ。いつでもどこでもこの妙技を見せてくれるのはロッシを筆頭に数えるほどしかいない。

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ロッシは1979年2月16日生まれの41歳で来季も現役を続行する。文句なく、2輪レース界のスーパースターである。米国のスポーツチャンネルESPNが2019年3月に発表した有名人ランキング(グーグルの検索数、広告収入、ツイッターやインスタグラムなどSNSのフォロワー数などで評価)では、オートバイ選手では唯一トップ100に入る67位。1位はサッカーのクリスティアーノ・ロナウド。F1のルイス・ハミルトンは21位。日本からはテニスの錦織圭が28位、フィギャアスケートの羽生結弦が64位だった。驚いたのは41位にeスポーツのNinja(米国)がランクインしていることだった。eスポーツってなに?と思うけど、そういう時代なのだろう。

いずれにしても、ロッシ人気の要因は、テレビの時代にうまくマッチングしたこと。10代のころの甘いマスクから精悍な顔へと変化していくが、その人気のベースにはレースで圧倒的な結果をのこしてきたことがある。加えて、ウイリーなど、コース上でのファンサービス、カメラマンへのサービス精神が徹底していたことが人気につながった。

yamahaのコピー

○・・・左からマーベリック・ビニャーレス、バレンティーノ・ロッシ、そして元チャンピオンでテストライダーのホルヘ・ロレンソ。スーパースター勢揃いである。

日本では栃木県のツインリンクもてぎで秋に日本GPが開催される。今年は新型コロナウイルスの影響で開催が危ぶまれているが、もし、オートバイのレースを見に行く機会があったら、ロッシのウイリーは勿論、セッション終了した後、レース終了後のウイリーを見てもらいたい。元気よくバンバンウイリーしてくる選手がいたら、サッカーや野球のバク転と同じで、その選手は間違いなく優勝か表彰台に立った選手である。

 

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