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【デントウヤサイ大学 2限目】東京の伝統野菜・江戸東京野菜を使う魅力

1限目で、江戸時代から続く農家さんの大堀さんに江戸東京野菜を育て続ける想いをうかがいました。二限目では、小金井の地域野菜を取り入れたカフェ・Cafe5884を経営している小林由美(こばやし・ゆみ)さんにお話をお聞きしていきます!

元々は無農薬野菜を使おうと考えていた小林さん。ところが、次第に小金井野菜の魅力、伝統野菜の奥深さに惹かれていったそう。

2限目:江戸東京野菜を使う魅力

【講義内容】

デントウ野菜大学で最初に取り上げる伝統野菜は、江戸東京野菜。
江戸東京野菜とは、種苗の大半が自家採取または種苗商によって確保されていた江戸時代から、昭和40年代までの野菜のこと。
参勤交代の際江戸に伝わった野菜や、現代まで住宅地で人知れずひっそりと種をつないでいた野菜など、一つ一つの野菜の背景に物語があるのが魅力的だ。
まずは江戸東京野菜学の門をたたいてみよう!!  

書き手:河村青依(食べタイ編集部/早稲田大学)

【時間割】
1限目:江戸東京野菜を育てる農家さんの気持ち 
2限目:江戸東京野菜を使う魅力

2限目で学ぶのはこれ!

  1. 伝統野菜の魅力
    地域のつながりを考えたメニューにぴったり。

  2. 伝統野菜の現状
    農家さんと地元の飲食店を結ぶ仲介は難しい。

  3. 伝統野菜を未来につなげるためには
    少しづつでもいいから発信する努力をする。

①伝統野菜の魅力:

家の近くの野菜を使える贅沢さ

【本日の5884プレート】メイン:ひよこ豆のハンバーグ その他:のらぼう菜の和え物

元々、有機野菜を使用したビーガン料理カフェを構想していた小林さん。ところが、地域のイベントや、人との関わりによって地元の農家さんの野菜を使う意義に気が付いた、と語る。そのきっかけとは何だろう?

「小金井には、元々地元で生まれ育った人も新しく移り住んできた人も、一緒に小金井を盛り上げよう!という雰囲気があります。

市全体でやるイベントはもちろんですが、市民発案・企画の小さなイベントがいくつも開催されていて、それぞれに盛り上がりがあって素敵なところなんです。

江戸東京野菜を知ったのも、小金井市内の江戸東京野菜でどんぶりを作るイベントに参加したことでした。

たしか、高野豆腐と江戸東京野菜でロコモコを作ったかな。

近くに美味しい野菜を作っている農家さんがいて、毎朝畑の横の直売所で新鮮野菜を買うことができる。
これはカフェのメニューに取り入れるべきですよね(笑)」

小金井には江戸時代から続く農家さんが多くいる。中でも、農家さんの蔵造の家が並ぶ小金井の関根通りは、”農家みち”と呼ばれ、毎朝採れたての野菜が家の前のスタンドの並ぶ。

家の近くの野菜をメニューに入れる、地域に密着したカフェを作るために、小林さんにとって、大切なポイントなのだ。

小林さんは、朝の散歩がてら、その日カフェに使う野菜を”農家みち”で選ぶのが楽しみだそうだ。

②伝統野菜の現状

飲食店と農家さんの連携の難しさ

「江戸東京野菜を発信し続ける努力をすることが大切だと思います。

私の営むカフェは小さいので、農家さんと直接契約して江戸東京野菜を出荷してもらうには量が少なすぎて申し訳ないんです。

また江戸東京野菜は農家さんにとって安定して供給することが農家さんにとっても難しいようです。だから使いたいと思って探しても売っていなくて、料理に取り入れることができない日もあって」

江戸東京野菜は、収穫時の育ちがまちまちになりやすく、安定供給が難しい。そのため、江戸東京野菜を育てていることを積極的に発信する農家さんも少ない……。

小林さんのように、プレートのおかず一品として江戸東京野菜を使いたいという場合、直接農家さんに出荷を約束してもらうことも難しいのが現状なのだ。

③伝統野菜を未来につなげるに向けて

小さくとも発信していく必要性

「大量生産・大量消費の時代を超えて、今私たちの目の前に伝統野菜、江戸東京野菜があることは、本当に貴重でありがたいこと。

私のように生産現場の近くで飲食店を営む場合はなおさら、感謝の気持ちをもって調理していきたいです。

小金井では、この数年は江戸東京野菜を盛り上げる大きなイベントがなくなり、生産する農家さん、使用する飲食店が減ってきているような印象があります。でも、イベントをやっていた当時のご縁で*江戸東京野菜コンシェルジュの方々や、周りの飲食店の方々とつながりができていて。

大きなイベントがなくなりつつある現状ですが、イベントがあった頃からの小金井市認定の江戸東京野菜使用店を中心とした、地道に生産する方と使う方のつながりを強く保っていきたいですね。

私一人の発信力は非常に弱いけれど……。微力ながら江戸東京野菜を少量でも使うことで、そういった繋がりを支えていきたい。そして農家さんには誇りをもって生産していただきたいです」

*NPO法人江戸東京野菜コンシェルジュ協会:江戸東京野菜の普及と地域振興を目的に食育や農家に関わる人材を育成する協会

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Cafe5884 (カフェゴーハチハチヨン)
電話番号 042-387-1004
Facebook https://www.facebook.com/Cafe5884

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【時間割】

一限目:江戸東京野菜を育てる農家さんの気持ち

二限目:江戸東京野菜による繋がりとと小金井の魅力

3限目は江戸東京野菜コンシェルジュの松嶋あおいさんにお話を聞く。




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