鶏への大きな愛。『地元産飼料75%!』自給自足農家の、愛情たっぷりこだわり卵に迫る!【前編】
茨城県石岡市で養鶏場を営んでいる田中啓之(たなか・ひろゆき)さん。
全てDIYで自宅と養鶏場を建設し、たくさんのこだわりと愛情で美味しい卵を育てています!
循環型農業や地産地消にもトコトンこだわり、餌はなんと75%が地元産飼料を使っているとのこと……!
今回はそんな田中さんに、卵へのこだわりを沢山おうかがいしてきました!
【後編】はこちら!
<書き手:まゆ>
1.こだわりがたっぷり詰まった美味しい卵
全てこだわってはいるんだけど、まずは環境負荷のない生活っていうのが1番。どうせやるんだったら、誰もがやってることじゃないこと。
自分でなければできないことをしたい。
環境負荷のない生活っていうのを含めて、循環型だったり地産地消っていうことを実践してます。
うちは平飼いの有精卵で無投薬で鶏を育てているんだけど、餌は草や牧草が50%なんですよ。
畑が家の前にあるんですけど、その畑から草や牧草を収穫してきて、
それを細かく刻んで鶏にあげる。
そして鶏糞を畑に肥料として施肥して、その畑から草や牧草を収穫し、鶏の緑餌にします。
また、人糞尿も発酵させて畑に肥料として施肥して、畑からいろいろな野菜や果物を収穫して自分たちで食べる。
そうすることで、鶏と人間と畑が全部循環するようにしてるんです。
人と畑と鶏が循環する仕組みを作っているそう……!
餌へのこだわりをさらにお聞きしてみると。
鶏の餌は50%が草や牧草・野菜クズとかをあげていて、自給している餌が50%になります。そしてもう50%が、自家配合した餌をあげてます。
その自家配合した餌の50%は、地元のクズ大麦とかクズ小麦を使ってます。
あとは地元のお米屋さんと物々交換してもらった米ぬかとかクズのお米を使っていて、
自給している草や牧草が50%、自家配合をしている餌の50%が
上記のクズ大麦クズ小麦と米ぬかクズ米が全体として25%
つまり75%が地産地消となっています。
普通の家畜っていうのはね、95%以上が輸入なのね。
そうそう。
そういうのって配合飼料で、遺伝子組み換えのとうもろこし等が入ってるの。
家畜の餌って、鶏以外の豚とか牛もそうなんだけど、みんなほとんど輸入でしょ?
牛乳とか卵とか豚肉とか、国産だって言ってても、飼料はみんな輸入物だから、国産じゃないような感じなんですよ。
我が家は自給分(50%)も入れて75%が地産地消でしょ。
輸入してるのは蟹殻とか、そういうのを輸入してるんだけど、ほとんどを国内産でやっています。
自分の畑で草・牧草やクズ野菜の自給分(50%)、残り自家配合餌(50%)の材料もなるべく国産にしてます。
田中さんの育てる鶏は、肩に乗ってくるくらい人との距離が近いのも特徴!
取材中もずっと田中さんの近くを歩いていて、本当の親子のような姿にほっこりしました。
うちは平飼いにしていて、鶏たちにストレスのないようにしています。
鶏だって人間とおんなじで、
常に満員電車の中ですし詰め状態だったり、常に蛍光灯の光に照らされ続けて家の中に居続けたり、自由に恋人も作れずにいたらストレスが溜まるじゃん。
もちろんそんなストレスばかりだと、元気で美味しい卵は産まれないよね。
とにかく鶏たちが居心地のいい環境づくりに力を入れている田中さん。
「そろそろ卵産む時間だから是非見てみてくださいよ」
と一緒に鶏舎の中に入らせていただくと、卵を産む鶏たちの姿が。
なんと決まった場所で必ず産んでくれるそうです!
そう。
他の平飼いのところっていろんなところ(地面)に卵が産んであって、
踏んで汚れたり潰れちゃったりすることがあるんだよね。
うちは産卵箱に産んでもらえるように、鶏を産卵箱で産むように教えてあげます。
夜は止まり木で寝るように教えてあげます。
なので、みんな寝るときはちゃんと止まり木の上で寝るんだよね。
人間の子供に教えるように鶏にも教育をしているそう!
鶏は「3歩歩くと忘れる」とよく言われていますが、実はとても頭がいいということに驚きました。
もっと増やさないの、ってよく聞かれるけど、環境負荷を少なくするため、規模は大きくしない。
野生動物はお腹がいっぱいの時は狩りをしない。
私も必要以上には増やさない。
それに規模を大きくすると、一羽一羽が手薄になりレベルが下がるんです。
私は手を抜かないで鶏のレベルを上げたいって想いが強いのもあります。
鶏には土日もお盆正月もないから、休みたい楽したいって思う人が入ったら当然レベルは下がっちゃうじゃん。
いくら「こういう価値観でこれやって。この仕事やって」って言っても、どういうところに気持ちを持てるかによって仕事のレベルが全然違うでしょ?
だから鶏も人も増やさずにこのままやり続けたい。
こだわりがたくさん詰まった田中さんの卵。
実は卵の販売だけでなく、自分で鶏の最期の処理までしているそうです。
2.鶏への大きな愛
普通は業者さん(屠殺所)に頼む人がほとんどだよね。
業者さんに屠殺をお願いすると、鶏は物扱いをされて可哀想な最期を迎えることになります。
なんかそれって可哀想じゃん。
だから私は、物扱いにはせず自分の手で最期を大切にお迎えするのです。
私は最期まで可哀想な死に方させたくないから、自分で屠殺すればそんな可哀想な死に方じゃないわけよ。
「そんなに鶏を可愛がってるのに、なんで自分で屠殺できるの」ってよく聞かれるけど、それは逆なんだよね。
自分が嫌な思いをするけど、その分鶏は可哀想な最期を迎えずに済むから。
最期の最期まで鶏第一の考え方でやっている田中さん。
鶏への大きな愛に胸が熱くなりました。
本当だったらこのレベルで卵を作るってなると、
自営業者としては1パック5,000円とかにしないと元取れないよね。
でも、我が家の人件費は本当に少ないから1パック800円でやっているのです。(飼料代が値上がりしているので、値上げを考えています)
お金以外の取り組みとして、「物々交換」「物労交換」「労労交換」っていうプロとプロの交換をしています。
物々交換と言っても、ただのお裾分けではなく、プロとプロとの物々交換です。
例えばパン屋さんと卵とパンの物々交換です。
あとは前述したように地元の米屋さんと米ぬかとか米クズも交換してもらってるなどなど……。
卸販売は行っておらず、卵の配達を自分で行っていたりゆうパックで送ることがほとんどだそうです。
今回【前編】では、鶏への大きな愛情と「いい卵を作りたい」という田中さんの強い思いをたくさんお聞きすることができました。
【後編】では田中さんのこれからの夢などについてお聞きしています!
どうしてここまでこだわりを持って生活することができているのか。
これからはどんなことに挑戦していきたいのか。
後編も是非。お楽しみに!
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