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仕事が嫌で泣いていた私は、気付いたら寂しくて泣いていた

「はじめての仕事」というハッシュタグは、これから社会人!という人のためにあるのかもしれないが、現在社会人3年目の私は「はじめての仕事」の"これまで"を記録しておこうと思う。


仕事ができなくて、ひとりで泣いた1年目

1年目はとにかく一生懸命だった。仕事を覚えるのに精一杯。お金を扱う仕事はこんなにも責任感があるのかと学んだ1年間だった。お客さんを待たせて怒らせてしまったり同じ間違いをしてしまったりもした。

初任給で喜んだなあ。でも仕事辛かったなあ。同じ大学から一緒に就職した同期と何度辞めたいねって言い合ったことか。失敗の共有をして安心してたなあ。

途切れることのない窓口処理を、何事もないかのように捌いていく先輩たちが眩しくて、当時は支店にいるみんなが別世界にいる人みたいに思えた。

仕事ができなくて。社会人の辛さを痛感して。私は休みの日にひとりでよく泣いていた。「はじめての仕事」は思うようにはいかなかった。

悔しくて、母の前で泣いた2年目

思い返せば「辞めたい」と思うことが一番多かったのは2年目だったと思う。頼りにしていた先輩が一気にいなくなり、私は仕事を抱え込むことが多くなった。

頼まれたものは自分が全部やらなければならない、そう思っていた。その結果、思うように仕事が進まず、周りに迷惑をかけることが増えていた。

「どうやったら上手くいくのだろう」と解決の糸口は見つからないまま。帰りの運転中、よく泣いていた。

泣きっ面が収まるまで時間を潰していたのはスーパーの駐車場。家族に泣き顔を見られたくなくて、こっそり泣いていた。

でも一度だけ、我慢できなくて母の前で泣いたことがある。普段泣かない娘が言葉もままならないほど号泣しているのを見て、きっと母はびっくりしただろう。

涙が止まらない私に

「涙が出るってことは一生懸命やっている証拠だよ」

と母は優しく言葉をかけてくれた。社会人にもなって号泣する姿を母に見せてしまったことに少し引け目を感じていたが、それでも嬉しかった。

「もうちょっと頼っていいんだからね」という上司や先輩の言葉を、もっと早くから素直に受け取っておくべきだったと気付いたのは、母の言葉があったからだと思う。

頼ることは悪ではない。そう気付いてから仕事がスムーズに進むようになった。2年目の後半は、少しずつ余裕を持って仕事ができるようになっていたような気がする。

3年目の終わり。流した涙は「寂しさ」からだった

3年目になり、任されたのは営業。今までの仕事内容とはガラッと変わり、自分でスケジュールを決めて動く日々。お客さんと話をすることの楽しさを知り、目標に追われながらも毎日楽しく働くことができるようになった。

3年目にしてようやく「安定」「充実」という言葉が似合う社会人になれたような気がしていた。

やっと充実してきた!そう思えるようになった矢先、先日私は「異動」することを告げられた。

ショックだった。何がショックって「今のメンバーと仕事ができなくなってしまうこと」「担当のお客さんと話せなくなること」だった。

異動を告げられた日の帰り道、私は自然と支店のメンバーとお客さんのことを思い浮かべていた。ふと目頭が熱くなった。バックミラーに映る私は涙を流していた。

仕事ができなくて泣いた1年目も、悔しくて泣いた2年目も、なんだかんだ良い思い出だ。そう思えるのはきっと、素敵な上司、先輩、同期、後輩、そして自分を頼りにしてくれていたお客さんに囲まれていたからだ。私はずっと、いつも、誰かに支えられていたのだ。

涙を流したとき、私は気付いた。毎日当たり前のように会っていた人たちはいつの間にか、私の中でかけがえのない特別な存在になっていたのだと。

はじめての仕事を経験したはじめての職場。そして私のはじめてのお客さん。

寂しさに浸る暇もあまりなくて、今の場所で仕事をするのに残された時間はあとわずか。私が残りの時間でできることは、支えてくれた全ての人に感謝の気持ちを伝えることだと思う。

3月。別れの季節だ。

「ありがとう」の言葉を、私は心を込めて伝えたい。

#はじめての仕事

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