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声について@口腔機能探求部

こんにちは奥住啓祐です。

少し先の口腔機能探求部でテーマとして取り上げる予定にしている「声」について、理学療法士さんから要望がありましたので一緒に考えていきましょう。

僕自身、脳血管疾患などを抱える方や子ども達の音声に関する悩み、声優さんの声をより良くするための指導など行ってきました。

皆さんは音声や構音のリハビリテーションは好きですか?個人的にはとても好きな領域です。音声も奥が深いなと日々感じます。

ちょっと変わったケースだと、風邪をひいた後に声のかすれだけ残ってしまった同僚のリハビリ(3回ほど)も個人的に凄く楽しくて好きでした。


そうそう、音響分析としてplaatなどのソフトを使われている方もいると思います。

今年から運営メンバーもさせて頂いているデータ分析関係の勉強会でも、音声の分析をされているエンジニアさんとお会いする機会があり、どんなソフトで分析しているのか尋ねるようにしているのですが、大抵は「会社のオリジナルソフトを使っています。」と答えられます。

僕自身もそれを聴いて、RやPythonを使って分析できないかなと最近考えているところです。

音声×機械学習というテーマも大変興味があります。一般的にはインプットした音声が含む、細かな音の歪みなどは抽出対象とせず(たぶん)、発話者が伝えたいであろう言葉を文字言語などに変換して出力してくれます。

中国語の学習アプリなど使っていても、多少四声や発音が違っていても、こちらの伝えたい言葉を予測してくみ取ってくれるので、中国語の発音が出来てるような錯覚に陥ります(モチベーションはあがりますが、誤学習に繋がるかも)

ところが言語聴覚士が必要とするデータは、通常は削除されてしまうであろう、音の歪や細かい言い間違いなどの部分こそ大切であり、それらの情報を正確に抽出・集計できるようにする方法ってあるのか?とぼんやり考えています。

失語症や構音障害を抱える方の発話を自動的に文字データに変換して、発話特徴まで分析してくれたら、言語聴覚士がいかに楽になるでしょうか。海外でこういったAI導入がどのようになっているのか聞いてみたいですね。

今回のテーマからは逸れてしまうので、そろそろ本題にはいります。


声へのアプローチ

声に関しても大事なのはもちろんアセスメントですが、あえて今回はアプローチ方法の話から入りたいと思います。

言語聴覚士が音声にアプローチを行う場合に出てくる選択肢は

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