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あらためてコストについて考える

こんにちは奥住啓祐です。

4月から働き始めた新人さんも、もうすぐ半年になりますね。言語聴覚士は自費で関わらない限りは直接患者さんやご利用者さんとお金のやり取りを行う場面はないでしょう。

それでも実際にはリハビリテーションを行う度に料金が発生しています。

現在携わっている介護保険適正化事業でも、各事業所における契約から始まり、アセスメント、プラン、記録、モニタリング、実績、支払いなど一連のプロセス全てを確認していきます。

そうするとリハビリテーションで関わる以外にどの様なことが行われ、そしてどのくらいの金額が発生しているのかが客観的に見えてきます。

お金の話でいうと、SNSで「若手もベテランも1単位のリハビリテーションの金額は同じ」という内容の投稿は定期的に出され、議論が行われるのを皆さんも見かけると思います。

僕自身、就職当初はお金のことは殆ど考えておらず、技術的なところに意識がいっていましたが、最近実際の臨床以外の業務にも携わるようになり、ようやく自分自身の視野が広がってきたこともあり、今回のテーマとなりました。

さて今回はカルテの書き方特集でお馴染みの認定言語聴覚士(失語・高次脳機能領域) Yuu-Yuuさんにまとめて頂きました。


目的

コスト管理、予定表作成、to do list はST の間接業務で重要な役割を担って
いますが、養成校では講義でなかなか習いません。働き出して見様見真似で習得するどころか、経験年数を重ねても十分に把握していないST も多いかと思います。現在、働き方改革の影響で、ST 業務を見直す機会が増えました。将来のST(自分たち)に向けて、効率的な業務方法をこの機会に考えてみませんか??

プロローグ:ダメダメな例

私は新人時代(2000 年初頭)、“ダメダメなST”をしていました。

①自分の1 時間当たりの稼ぎを知らない

②患者さんの実施時間がずれてしまう

③1 日でやるべき書類が抜けてしまう…。

数々の失敗がありました。これからのST ライフを送る皆様には私と同じような失敗はしてほしくないです。


~コスト管理~

・脳血管疾患等リハビリテーション料の起算日を間違えて、早期リハビリテーション加算について、余分にとるor 不足していたため、医事課に修正をお願いした…

・脳血管疾患等と廃用症候群のコスト請求分を間違えて修正をすることに…

・1 単位、2 単位と20 分、40 分の時間を間違えて、後で時間とコスト修正を要した…


~予定表~

・外来の患者さんを入れ忘れて、受付から呼び出しがかかる…

・透析の予定を午前と午後を勘違いしてしまい、言語聴覚療法が実施できなかった…

・PT、OT とリハビリテーション時間が重なってしまい、注意された…


~to do list~

・サマリーを書くのが遅れてしまい、後日郵送発送することになった…

・新患者対応で、必要な作成書類(計画書等)が漏れてしまった…

・予定表やカルテ入力を忘れてしまい、後日、真っ白な状態で入力をする事に…

*上記ST 例の“やばさ”に気が付かない方は、ぜひこの機会に見直してください。


1.コスト管理 ~コスト管理が大切な理由~

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1,779字
国内外11人の言語聴覚士を中心に執筆。このmagazineを購読すると、言語聴覚士の専門領域(嚥下、失語、小児、聴覚、吃音など)に関する記事や、言語聴覚士の関連学会に関する記事を読むことができます。皆さんからの体験談など、様々な記事も集めて、養成校で学生に読んでもらえるような本にすることが目標の一つです。

国内外の多くの言語聴覚士で執筆しているので、言語聴覚士が関わる幅広い領域についての記事を提供することが実現しました。卒前卒後の継続した学習…

皆様からの優しいお気持ちは、共同プロジェクト「言語聴覚士オンライン」の活動に活かしてまいります。