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全ての男には痴漢の動機がある

今回紹介したいのは、映画「それでも僕はやってない」(周防正幸監督)で、痴漢冤罪をテーマにしたものです。


主人公は、電車に乗っていたところを痴漢の加害者と間違われ逮捕されます。それから、拘留→起訴→裁判に至るのですが、容疑者に対する警察の自白の強要、刑事事件の有罪率の高さ、ジェンダーなど日本の様々な社会問題がこの映画に凝縮されています。


個人的に一番印象に残っているシーンは、拘留所にて主人公と女性弁護士が話をしている場面です。女性弁護士が、主人公に対して家に痴漢モノのアダルトビデオがあることを指摘し、それに対して主人公は「それなら(アダルトビデオがあるくらいで心証が悪くなるなら)男はみんな犯人だ」と言い返します。しかし、弁護士からは「その通りよ。すべての男には(痴漢の)動議があるの」と言われ、何も言えなくなくなります。


https://youtu.be/QaLSQ0U2R78
(該当のシーンです。このURLをコピーして見られます)


私もこの弁護士に怒りを覚えましたが、主人公と同じように何も反論できない気持ちになりました。


ある時、男子生徒にこの映画を見せて、このシーンについて「ここの女性弁護士の言うことすげぇムカつくけど、正論すぎて何も言い返せないよね」と話したところ、その生徒に「じゃあ、オカマだったらどうなるんだろうね」と言われ、また何も言えなくなりました。素晴らしい着眼点です。(笑)


中学3年生の公民の裁判の授業で冤罪を扱います。社会科の資料集によっては、この映画が記載・紹介されているものもあるようなので、忙しい受験生にも、どうか時間を見つけて見てほしい作品です。


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