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ネタバレなし感想「シスター 夏のわかれ道」11/25公開〜家父長制に別れを告げて〜


子役のほっぺたがクレヨンしんちゃんなんよ


Fan's Voiceさんの試写会で観ました。


SNSで日本国内の話題を追うだけで精いっぱいのわたしでも、昨年騒がれてるなーと感じた作品。

これからはわたしも騒ぎます。シスターはいいぞ!


息子を望む父親によって脚に障がいがあるフリをさせられ(障がいがあれば一人っ子政策でノーカンになる)、脚の見えるスカートを履くと殴られたアン・ラン。

早くから自立し、現在は恋人と共に北京の大学院進学を目指す。

ただ、彼は両親に北京行きを話していないようで、彼らは孫のための子ども部屋まで準備している(アン・ランは子どもが欲しいだなんてもちろん言っていないのに!)。

そんなある日、彼女の両親が亡くなり、見知らぬ弟ズーハンの世話を「お姉ちゃんなんだから」と親戚一同が押しつけてくるのだった。


女性にケア労働を強いる家父長制に真っ向勝負を仕掛けていて好き好き大好き超愛してる。

育てるか手放すか、産むか産まないかの選択も、人生も、身体も、本人のものでしかないはず。

アン・ランがズーハンに教える通り「あなたとわたしは違う人」。

しかも、そこから本作は「それでも向かい合えばわかり合えることもたくさんある」というところまで飛躍するのです。


特に秀逸だったのが、苦労しすぎて女性蔑視を内在化してしまっている前の世代の女性に関する描写。

「わたしがこれだけ苦労したんだから、あなたもこのくらいしなさいよ」という負の連鎖を断ち切った彼女もまたスイカのおいしい中心部を食べられるように祈っています。

そして、あらゆる世代の希望となり得る本作が1人でも多くの「お姉ちゃん」「お母さん」を始めとする女性たちに届きますように。

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